新型ウイルスでオンラインスナック誕生
Japan In-depth / 2020年3月22日 7時11分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部
【まとめ】
・新型ウイルスでアーティストや飲食業者らは収入が途絶、苦境に。
・無人スタジオ型オンライン配信サービスによる「オンラインスナック」誕生。
・収益を得る新たな手段として、オンライン配信を考える時代に。
人が集まるイベントの自粛、そして人の移動の制限が続く中、多くのビジネスの持続可能性が脅かされている。
特にフリーで仕事をしているアーティストや、飲食業に働く人々の生活は危機的状況だ。
そうした中、配信業界に注目が集まっている。リモートワークはもちろん、テレビ会議やセミナー、講演、授業など、あらゆるところでインターネット配信が一気に普及し始めている。
筆者の周りでも70才以上の高齢者は、ネット会議に抵抗があるようだが、現役世代はもはやそんなことは言ってられない。否が応でもリモート化は進むだろうし、皮肉なことに新型ウイルスの蔓延で、遅々として進まなかった日本の「働き方改革」がようやく動き出した感がある。
その配信業界でちょっと面白い動きがあったので紹介する。
それが「オンラインスナック」だ。
なにそれ?と訝る人もいるだろうが、実はこれが結構、「あり」なのだ。
「スナック」というと、場末の飲み屋横丁や、郊外のロードサイドとかにかたまってあり、小さなネオンが壁に掛かっていたり、道に光る看板が立っていたりして、ちょっと入りにくい・・・そんなイメージだろう。
恐る恐るドアを開けると、高音量でカラオケが鳴り響き、たばこの煙がモウモウ・・・常連とおぼしきおっさん達がママやチーママとどうでもいい与太話を大声で交わしてる。たまに流しのお兄さんが入ってきて喉を披露してはおひねりをもらって帰る。それが、昭和の「スナック」だ。
しかし、今は違う。
「ママ」は、画面の向こうに一人で存在しているだけだ。そこにはあなたとママしかいない。いや、実際には不特定多数の視聴者、否、客がいるのだが、それはあなたには見えない。
それのどこが面白いんだよ!とツッコミ寸前のあなた!それが、面白いんだって。どこがというと、ママの話がちゃんと聞けるのだ。これは革命的だ。古来「スナック」はママに話を聞いてもらいに行く場だった。しかし!だ。令和の「オンラインスナック」はママの話をじっくり聞く場に変貌したのだ。
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