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京大総長が説く ゴリラに学べ

Japan In-depth / 2020年3月23日 21時0分


▲画像 人工知能イメージ 出典: Pixabay / Pete Linforth


身近な例ではかつては家族や友人の電話番号などを10人分くらいは覚えていたが、今は携帯に登録しているので覚えていないし、働く手順を考えだしたり、大きな構想力で世界をつかみ取ったりする思考方法は衰えてきていると危惧するのだ。ITや機械に頼りすぎて物事を考える力が衰退し、学んだことをパソコンや人口知能、ロボットなどに入れ込んだり落とし込み、代用させるとなんでもボタン一つ押せば片付くと考えるようになってしまったというのである。すると人間は互いに話し合って新たな方法や解決策を見つける手間を省くようになり、一見、便利そうに見えたが人間はだんだん大きな構想力を持たず、話し合いも少なく、経済優先となり孤独化し、内向的になってゆく。それが現代社会の特徴として出てきているのではないかというのだ。


 


■ 考える力と構想力が人間の特色


山極さんは「京都大学も現在はジャングルのようで様々な個性的で面白い発想がまだ息づいている。しかし放っておくと京大らしさを無くす心配もあるので、“京大野帳”とか“京大変人講座”“京大チャレンジコンテスト”などいろいろ学生、教授らを刺激する試みを行なっている」と言い、学力・体力だけでなく世界観と五感を生かした“直観力”を養えるような大学にしたいと構想している。



▲写真 京都大学(2019年5月)出典: 京都大学 facebook


現代は、人間の脳に留めておいた記憶や知識、データベースを外部のスマホなどに収納してしまいボタン一つでアクセスして自分の頭で覚えなくなってしまった。人間の特色は想像力によって自分と世界を作り、自分の中に世界を取り込む能力を持つことだったのに知識はスマホ、パソコンに収納してしまい頭で考えたり覚えたりしなくなっている。パソコンだけに向かっていると表情を作る機会や笑うことも少なくなっている。そしていつもスマホをONにしておかないと友人からも疎外されたようになってしまうと感じているが、過去の経験に学んでIT時代における信頼関係の作り方を学ぶべきだと指摘する。


ITや機械は便利だが、それ自体が物を考えることはしない。人間の体力と知力を活用し新しい世界を構想しつかみとってゆくことが人間の役割であり、京都大学はその環境を整えるために次々と刺激的な講座、研究会などを作っているように見えた。


トップ写真:京都大学総長・山極壽一氏(中央)をゲストに迎えて。(TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』より)。嶌信彦事務所提供。


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