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暗黒のNYにトンネルの出口

Japan In-depth / 2020年4月9日 9時20分

 


3/16 レストランなどの営業が停止。全・小中高校閉鎖。


3/22 事実上の外出禁止令発布


3/23 公立校全校オンラインで授業開始


 


ニューヨーカーの生活が制限されてなんと今日(4/7)で「まだ16日」しか経っていなかった。だが個人的な感覚ではもう2ヶ月位、こういう生活を送っているような気がする。


 


制限がある生活下の日常生活のストレスが、自分でも気が付かないうちに少しずつ自分の精神をむしばみつつあると感じている。


 


いつまでこういう生活が続くのか。


 


始まった時はそれなりに覚悟したつもりだったが、今では甘かった、と思っている。たった16日なのにもう辛い。そして増え続ける感染者、死者などのニュースがまた辛い気持ちに拍車をかける。


 


昨日、新型コロナウイルスによる新たな死者は一日だけで731人になったいう。すでに亡くなった人はこれで5489人。この日に亡くなった人の数は今までで一番多い。


 


だが私が一番ストレスを感じるのは、強いられている生活の不便さそのものより、すぐそこに転がっている「影」だ。入院した人のうち75%前後の人が退院出来ている、とも言うが、数字でいうと州全体で5500人近くの人がすでに亡くなっている。


 


クオモ知事によれば、入院して人工呼吸器を装着されると、その後呼吸器が外れて生きていられる率は20%だという。亡くなった方々はおそらく全員が数週間前には自分の死など想像すらしてなかったのではないか。数週間前のこの病気に関する情報はまだ楽観的だった話も多かったように思う。


 


病院では確実に数時間内に亡くなる、と医者が判断した患者の家族1人のみ、面会を許可しているという。家族は病院で待機出来ないため電話で呼び出される。「面会」はフェイスタイムなど携帯の画面を通して行われ、意識がない患者に対して家族が最後に携帯を通して呼びかける光景は想像するだに地獄だ。ウイルスに汚染されているため、その後の殆どの遺体の行き先は未定だ。


 


私のアパート近くの病院の駐車場には、亡くなる人が多すぎて、霊安室に置けない遺体を一時的に保管するトレーラーが小学校がある通りから丸見えだ。救急車の車内を消毒する作業に追われる救急隊員の姿も見える。数週間後に今、自分が見ているそのトレーラーに自分や自分の家族が乗っていないと断言できる根拠はどこにもない、と不吉な想像を働かせてしまう。


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