米国民、新型コロナ中国に責任
Japan In-depth / 2020年4月12日 23時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・米国民の8割が感染拡大は中国の責任とみている。
・「中国ウイルス」「武漢ウイルス」の表現への支持も多数。
・トランプ政権の対中強硬政策が支持得る。日本の対中政策に影響も。
アメリカでは新型コロナウイルスの拡散に関する中国の責任を追及する議論が高まっているが、アメリカ国民の圧倒的多数は中国にその責任があるとみなし、さらに多数派はトランプ大統領がときおり使う「中国ウイルス」という呼称の使用に賛成だという全米世論調査の結果が4月11日までに明らかとなった。
全米でも最有力の世論調査機関の一つ、「ハリス世論調査会社」はコロナウイルス関連の最新の全米世論調査を同日までに発表した。同調査は全米約2000人の一般国民を対象とし、4月3日から5日の期間に実施されたという。
その結果によると、まず注目されるのは一般アメリカ国民の圧倒的多数が新型コロナウイルスの拡散について中国政府の責任を問うている点だった。自国が世界でも最多の感染者を出したことに対して、「中国政府に責任がある」と答えた人が全体の77%、「責任があるとは思わない」と答えたのが23%だった。
その背景としては「新型コロナウイルスに関しての中国政府の報告は信用できるか」という質問に対して「信用できない」と答えた人が全体の72%、「信用できる」というのが28%だった。
この結果はまさにアメリカ国民の8割近くが自国の感染拡大による被害を中国政府の責任だとみているわけで、この数字は圧倒的多数だといえる。
同様にアメリカ国民の圧倒的多数は中国政府のコロナウイルスに関する公式発表などは信用できないと考えていることが判明したわけで、アメリカ国民のこうした受けとめ方はこんごのアメリカ政府の対中姿勢にも大きな影響を与えることとなる。
▲写真 新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした新たなガイドラインを手にするトランプ米大統領。ガイドラインでは15日間は10人超で集まることや、バーやレストラン、フードコート、体育館の利用や、人ごみを避けるよう国民に求めた。(2020年3月23日 ホワイトハウス)出典:flickr; The White House (Public domain)
ハリス世論調査会社の同じ世論調査は、トランプ大統領や同政権の要人らが使う「中国ウイルス」という言葉に対するアメリカ一般国民の態度についても興味ある数字を示していた。
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