新型コロナ日米対策遅れの訳
Japan In-depth / 2020年4月14日 11時31分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の安保カレンダー【速報版】2020#16」
2020年4月13-19日
【まとめ】
・NYT、爆発的感染拡大の最大原因はトランプ氏の無策にあると報ず。
・日経は「安倍1強にも医系の『聖域』」との記事掲載。
・日米の状況は意外にも似ている。
日本でCOVID-19に関する緊急事態宣言が出てから一週間経った。先週末は近くのスーパーまで必需品買い出しに行ってきたが、店は思いの外混んでいた。また、実家の母が心配で鎌倉にも車で帰ったが、人は予想以上に出ていた。やはり人間は勝手で移り気な動物だなぁ。御上の言うことなんて心の底では信じていないのだろう。
最近は夕方、前日の東京の感染者数を聞くのが一日の始まりになりつつある。専門家ではないのでオーバーシュート(感染例急増)が起きるかは分からないが、今の数字の伸びはやはり不気味だ。東京オリパラも延期が決まったし、COVID-19軽症者用のホテル確保も進んだのなら、そろそろ大規模な検査を始める時期ではないのか。
先週はサンダース上院議員が遂に撤退を表明、バイデン前副大統領の民主党候補指名が確実となった。サンダースは「勝利は不可能」として敗北を認めたから、普通なら今後は民主党が政権奪還に向け挙党一致を固めるべき時だろう。しかし、実際にはCOVID-19のパンデミックにより、米大統領選は大きく様変わりしつつある。
▲写真 ジョー・バイデン上院議員 出典:flickr : Gage Skidmore
通常なら指名を確実にしたバイデンはリベラルメディアなどを利用して「生まれ変わったバイデン」をアピールしたいだろう。ところが、米内政状況はこの2か月で激変した。コロナウイルスのお蔭でバイデン候補はTV出演の機会が大幅に減ってしまったようだ。これに対し、トランプはこのところ毎日のようにメディアに出まくっている。
しかもトランプは話す内容まで少しずつではあるが進化している。最近では政権内の多くの医療・伝染病の専門家とともに、記者会見やブリーフィングを精力的にこなすようになった。一部世論調査では大統領の支持率が3月下旬に上昇に転じ、一時は53%にまで上昇したそうだ。まあ、これはあまり意味のある数字ではないが・・・。
▲写真 記者会見に臨むトランプ米大統領 出典:flickr: The White House
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