ジョー・バイデンは外交通か
Japan In-depth / 2020年4月25日 12時0分
特に黒人のコーリー・ブッカー上院議員は、「尊大な人種分離主義者たちと組んだ」過去を楽しげに振り返るような人物は国を1つにまとめられない、「黒人をボーイと呼ぶ悪弊を冗談の種にしてはならない」と論難し、バイデンに発言の撤回と謝罪を求めた。
▲写真 コーリー・ブッカー上院議員(2019年8月7日 米・フィラデルフィア)出典: flickr; Michael Stokes
バイデンは、「何に謝れというのか。コーリーこそ謝罪すべきだ。私の体内に人種差別のかけらもないことを彼はよく知っているはずだ」と反発したものの、結局「発言に配慮を欠いた」と謝罪に追い込まれた。特段の悪意はないが状況を読めないこの手の失言がバイデンには多い。
さて自らを中道左派と位置付けるバイデンは、外交問題では安定と多国間協調を旨とする現状維持派である。「国務省派」というのが正確かもしれない。
例えば1980年代にレーガン大統領が打ち出したミサイル防衛構想(SDI)にバイデンは強く反対した。米ソ関係が不安定になる、が主たる理由だった。しかしレーガンの対ソ政策はまさにソ連崩壊、すなわち積極的な不安定化を目指したものだった。
そうした姿勢はバイデンには理解できない。米ソ関係は半永久的な平和共存以外あり得ず、ソ連崩壊など素人の危険な夢想に過ぎないのである。実際の歴史は、バイデンの固定観念はおろかレーガンの「夢想」すら超える急展開を見せたわけだが…。
バイデンは、自分は次のような批判を受けてきたと率直に振り返る。
①しゃべり過ぎる、②論理でなく感情に動かされる、③汗をかいて結果を出す姿勢に乏しい。
バイデン自身が引用するあるベテラン記者の総括によれば、「ジュージュー焼き音は聞こえるがステーキが出てこない。鑑賞馬であって労働馬ではない」といいうことになる。
要するに、熱い立派な演説をするが成果が見えないというわけである。こうした不都合な論評も回顧録に引く辺りバイデンらしく、一定のファンを持つ所以だが、大統領にふさわしい資質とは言えないだろう。
今年1月3日、トランプ政権は、イランの対外破壊活動部門の中核ソレイマニ司令官の殺害作戦を実行し、成功させた。
▲写真 トランプ政権が殺害したソレイマニ司令官 出典:Wikimedia Commons
民主党は大勢として、外国の「政府高官」を狙った違法な「政治的暗殺」である上、本格戦争を招きかねない無謀な作戦だったと批判した。
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