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米、コロナ治療で障がい持つ人差別

Japan In-depth / 2020年4月30日 12時55分

疾病対策予防センターによると、およそ6100万人のアメリカ人が何らかの障がいと共に生活していて、それは人口の約26パーセントにあたる。2016年には、737万人のアメリカ人が知的、または発達障がいを抱えて生活していることが分かった。


非営利の報道機関Center for Public Integrityが30州の政策とガイドラインを分析した所、病院の人工呼吸器が足りない場合、25州で、障がいと共に生きる人を、救命治療の列の最後に送るというような規定がなされていた。他の20州では、特に政策はないか、まだ発表していない状況だ。



▲写真 人工呼吸器(イメージ)出典:Pixabay; Simon Orlob


医師や医療倫理の専門家は、これらの20州では、新型コロナウィルスの症例がピークに達する前に、対策を講じる必要があると述べている。専門家によれば、医師が誰が生き、誰が死ぬかについての悲惨な決定を下すことになり、無意識のうちに個人的な偏見や固定観念に頼ってしまうリスクが高まるという。


障がいを持つ人々の擁護団体は、ダウン症、脳性麻痺、自閉症などの人々は、新型コロナウィルスの流行が広まるにつれて、救命医療へのアクセスを拒否されるのではないかと懸念している。


そして、複数の擁護団体が、アラバマ州、カンザス州、テネシー州、ワシントン州の危機管理基準と呼ばれることもある割り当て政策について、連邦政府に正式な苦情を申し立てた。それに応えて、米国保健福祉省は、計画が差別的であってはならない、救命治療の割り当てにおける障がいを持つ人々への差別は違法だと述べた。しかし、擁護団体は、これだけでは差別が発生しないことを保証するのに、十分ではないと言う。ワシントン州やカンザス州でも、この苦情を受けて、医療及び医療の専門家の支援を得て、現在ガイドラインを更新していて、障がいを持つ人々の擁護団体と面談して、彼らの懸念に対処しているという。


特に知的、及び発達障がいのある人を含む最も脆弱な人々にとって、すでに新型コロナウィルスのパンデミックは、不平等なものであることは明確だ。ニューヨークの知的、発達障がいを持つ人々のプロバイダーのニューヨーク協会によると、知的、発達障がいのサポートサービスを受けている人は、新型コロナウィルス感染症を発症する確率が一般の人の5.34倍であり、4.86倍の確率で死亡することも証明されている。マサチューセッツでは、発達障がいを持つ人々のための国営施設の居住者の40パーセントが、新型コロナウィルスの陽性であった。知的障がいを持つ人々の45パーセントがこのパンデミックで、孤独感に苛まれている(一般の人は10.5パーセント)。


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