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アニメの出来は声優次第 家にいるなら邦画を見よう 4

Japan In-depth / 2020年5月2日 7時0分


▲写真 スタジオジブリ作品フェスティバルのポスター(2014年9月5日 ドイツ・ベルリン)出典: flickr; Alper Çuğun


漫画も盛んに読まれているが、単行本の場合、困った問題がある。日本の漫画雑誌は、活字の本と同様、左開きになっているが、横文字一辺倒の国ではもっぱら右開きだ。吹き出し(漫画のセリフ)は、一コマごとなら縦書きを横書きにすれば済むが、これで右から左にコマが続いて行くと、おそろしく読みにくい。また、一般に左開きの本が存在しない国では、そういうものを作るとコストが高騰する。


そこで、窮余の一策として、絵を反転させて印刷するという挙に出た版元があったのだが、この結果、あのブラックジャックがサウスポーになってしまった。こういう、笑える話なのか否か、判断に苦しむ話も実際に聞いている。


漫画の話は、さておき。


1989年、当時私はロンドンで暮らしていたのだが、友人の勧めで『となりのトトロ』を見て、ジブリ作品にどっぷりはまってしまった。この映画の公開は1988年だが、バブル景気を背景に、日本人向けのレンタルビデオ店などができていて、新作でも、さほどのタイムラグもなく貸し出されるようになっていたのである。


ともあれ1990年代以降の私は、ジブリ大好き人間になった。とは言え、


「アニメ見て 泣く俺を見て 母が泣く」


……これは、たまたまネットで見たヲタク(これが正調の表記だとか笑)川柳のひとつだが、さすがにここまでではない。1993年に帰国してからは、新作が公開されるたびに映画館まで足を運び、DVDをほとんど全作買いそろえた程度だ。


日本製アニメ全般に共通することだが、丁寧な作画と言おうか、背景の細かいことろまで書き込まれていて、ストレスなく物語の世界に入って行けるところがよい。


描かれる世界観は、作品ごとに異なり、そこがまた魅力なのだが、中でも私が一番好きなのは『耳をすませば』(1995年)である。


読書好きな中学生の女の子が、図書館の本をいつも自分より先に借りて読んでいる男子がいることに気づく。その男の子はバイオリン職人になるという夢を持っていて……という甘酸っぱいストーリーだが、最初は彼のことを「やな奴」と言っていたはずが、いつしか仲良くなってしまうあたり、泣きはしなかったが、なにかがこみ上げてはきた。


一方で、最後まで違和感を払拭できなかったのが『風立ちぬ』(2013年)だ。


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