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東京アラート レインボーブリッジ赤点灯必要? 東京都長期ビジョンを読み解せすく!その91

Japan In-depth / 2020年5月23日 14時1分

東京アラート レインボーブリッジ赤点灯必要? 東京都長期ビジョンを読み解せすく!その91


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)


【まとめ】


・都知事、東京アラート→レインボーブリッジを赤く点灯させると発表。


・ブリッジは多くの都民に見えず、予報でも警告でもない。


・単なるシンボルのイメージ悪化、防災サイレンの方が効果あり。


 


小池都知事がぶちあげた「東京アラート」。いったい何なのかが判明した。


5月22日に「ロードマップ」を都知事が発表。ロードマップとは何かを簡単に言うと、政府の緊急事態宣言が解除後、施設の休業要請を緩和していくステップ(0~3まで)のことである。


その過程で、COVIDー19の感染状況を周知するのが「東京アラート」だそうだ。感染状況が指標を超える場合、警報を出すようだ。


 


■余計なアピール?!


その中で、「レインボーブリッジでライトアップ」という取り組みもするらしい。



・数値が良い傾向⇒7色の虹色に点灯


・指標のうち1つでも基準を超えて悪化⇒「東京アラート」として赤色に点灯



なのだそうだ。正直なところ、レインボーブリッジで赤く示して何の意味があるのだろうか?と思ってしまった。問題は4つ。


第一に、多くの都民にとっては、そもそも見えない。テレビでの放映、もしくは沿岸にすむ都民しか見えない(出歩くべきではないですからね)。見ても何を感じるのだろうか。「東京アラートだ!」とわかったからと言って何を予防すればいいのだろうか。



▲写真)小池都知事 出典:東京都Facebook


第二に、警報という言葉とのかけ離れたイメージである。そもそもアラートとは、英語「alert」を意味している。


【動詞】


①警報を出す.


②警告する,注意する.


【名詞】


警戒態勢、警報


といった意味になる。さらに、日本語では「警報」とは、「重大な災害が起こるおそれのある旨を警告して行う予報であり、注意報とは、災害が起こるおそれのある旨を注意して行う予報」と定義される。今回の作動条件であるが、指標の数値が水準をこえたかどうかで示したもの。いわゆる「結果」。今後の「兆候」ではない。指標が未達成、だから何なのだろう。予報でもないし、警報と言うには不十分なものだ。


第三に、悪い意味でのアピールを東京のシンボル的な施設を使用する必要があるのか。東京のシンボルを使用することで、シンボルのイメージを悪化させる。せっかく本連載で評価した「新型コロナウイルス感染症対策サイト」を活用して、自治体ごとに色付けをするとかのほうが現実的である。


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