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中国漁船船員水葬の波紋拡大

Japan In-depth / 2020年5月24日 15時29分

 


■ ソマリア沖インド洋でも水葬事例


外務省や国家警察などの調査でその後、別の中国漁船に乗り組んでいたインドネシア人船員ハルディヤント氏がアフリカ北東部ソマリア沖で操業中に死亡、遺体は同様に1月23日、海中に投げ込まれて「水葬」されていたことが5月18日に判明した。ハルディヤント氏を撮影したというネット上にアップされた動画には同氏が1人で歩くことができず、仲間に支えられている様子が残されており、病気だった可能性がでている。この動画の撮影後にハルディヤント氏は船上で死亡したという。


こうしたことから中国漁船に乗り組んで航海中に死亡した場合、海中投棄という方法がこれまでも継続的にとられていた可能性も浮上している。


事態を重視したインドネシア政府は5月16日に中国漁船にインドネシア人を船員として斡旋して派遣していた派遣業3社を立ち入り調査し、書類などを押収、捜査した結果「違法な条件で違法に船員を派遣していたことは人身売買に相当する」として3社とその関係者を容疑者に認定、さらに捜査を継続している。


またインドネシア政府はジュネーブ駐在代表を通じてUNHRCに対して「漁業に従事しているインドネシア船員の人権状況について特に問題を喚起したい」と今後協議を行うよう求めた。



▲写真 国連人権理事会 UNHRC(2020年2月24日 スイス・ジュネーブ) 出典: GovernmentZA


中国側に対しても漁船の所有会社、船長などに対する事情聴取を通じてインドネシア船員との雇用契約が国際的な労働基準に準拠したものであるのか、操業中に死亡したとするインドネシア人船員の死因などに関する詳細な事実関係の究明と報告を求めている。


中国漁船の船長は「死因は感染症で他の船員への感染の恐れがあった」「水葬は家族の了承を得ている」「契約では操業中の死亡は水葬とするとなっている」と韓国の捜査機関などに主張していると伝えらえているが、インドネシア側はいずれの主張も確認できないとしている。


 


■ 東南アジアで横暴ぶり目立つ中国企業


今回は太平洋やインド洋で操業する中国漁船の過酷で非人道的対応が焦点となっているが、東南アジアでは中国企業による地方政府や地元住民とのトラブルが最近特に目立つようになっている。


フィリピンではマニラ首都圏で多数の中国人が観光ビザで入国して本土の中国人を対象にしたオンラインの違法カジノやネット詐欺に従事。中国政府の通報で摘発して強制送還させる事案が続いた。


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