中国漁船船員水葬の波紋拡大
Japan In-depth / 2020年5月24日 15時29分
またカンボジアやラオスなどでは中国企業による賃金不払いや工場からの有害物質による環境破壊や周辺住民の健康被害なども報道されている。
こうした事例は、東南アジア各国に深刻な感染被害をもたらせている新型コロナウイルスが中国・武漢から広がったことや、各国がコロナ対策で必死の最中に中国が領有権問題がある南シナ海に調査船を派遣してベトナムやマレーシアの排他的経済水域(EEZ)内に進入して調査をすることなどから、国際的な反発を招いている。一連の中国の行動、活動は東南アジア地域での対中感情の悪化を招いているといえる。
▲写真 南シナ海で訓練する中国海軍。写真は空母「遼寧」への発着訓練(2020年5月5日)出典:China Military
もっともラオスやカンボジアなどは中国政府の「一帯一路」構想に基づく巨額の経済援助、投資・開発・工場誘致などのため正面切って中国を批判することは控えざるを得ない状況となっており、その深刻な影響は一般国民が負わされる事態となっている。
フィリピン政府も南シナ海の領有権問題を中国との間に抱えながらも経済援助や対米関係とのバランスから硬軟両様を使い分ける外交となっており、こうした東南アジア各国の事情が中国に付け入る隙を与えているとの見方が有力だ。
そうした中、やはり親中国といわれるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領だが、東南アジアで最も感染死者数が多く(5月22日時点で1326人)、感染者数はシンガポールに次いで2番目(同2万796人)というコロナ禍の感染拡大が止まらないことに加えて、3月初旬のインドネシア人初感染まで多くの中国人観光客がインドネシアを自由に訪問していたことなどに対して中国、中国人への国民視線が変化してきているという。
そこに今回のインドネシア人船員への深刻な人権侵害が疑われる事案が明るみに出たことで、インドネシア人の対中感情に微妙な影響を与え始めていることは間違いないといえそうだ。
トップ写真:中国・習近平国家主席(2020年5月23日 北京)出典:中国政府ホームページ
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