言葉のナイフいつか貴方にも
Japan In-depth / 2020年5月25日 11時0分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・ネットいじめが無くならない。
・SNS上の誹謗中傷は「嫉妬」が原因。
・競争からこぼれ落ちた人にもセカンドチャンスを。
有名女子プロレスラーの死に社会が揺れている。正直、彼女が出演していた番組に興味が無くて見てもいなかったし、彼女の死がネットいじめのせいかどうかはわからない。しかし、酷い誹謗中傷の書き込みがあったことは事実だという。
SNSをやっている人なら誰しも経験があるだろう。突然、赤の他人から批判が飛んでくることが。その時、どういう気持ちになるか?胸の奥底から嫌な気持ちが沸き起こってくる。なんともいえない不快な気持ちだ。人によっては、不安が広がり、恐怖を感じることもあろう。
かくいう私もそんな嫌な経験をしたことがある。ニュースのキャスターをやっていた時、視聴者の投稿は見ない方がいいですよ、と番組担当者から言われていたが、つい覗いてしまうのが人情というもの。すると、そこ書かれていたのは、酷い悪口ばかりだった。基本、ネット上には批判・悪口が多い。分かっていても、そんな言葉を投げつけられたら誰だって落ち込むのは当然だ。
▲写真 イメージ 出典:Wallpaper flare
かつては「2ちゃんねる」、今はSNSだ。特にTwitterは匿名なので書きやすいのだろう。ほぼ実名のfacebookより炎上しやすい。そのfacebookですら、不快なコメントは後を絶たない。
ネット上の誹謗中傷やいじめは、場合によって名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪、信用毀損及び業務妨害罪、偽計業務妨害罪などに問われることもある。それがわかっていて、何故ネット上の誹謗中傷やいじめが止まないのか?
一つには、スマホの普及でSNSに簡単に投稿できるようになったことが上げられよう。もう一つには、自分だけは捕まらない、と思い込む「正常性バイアス」だ。実はどちらの理由もやっかいだ。
インターネットは基本便利なもので、情報がいともたやすく手に入る社会になった。私たちがインターネットから受けている便益は計り知れない。そのインターネットを否定することなど考えられない。
それに匿名だろうが実名だろうが、ネット上で相手を攻撃する人はいなくならない。面と向かって言うわけではないし、なにより書き込むのは簡単だ。いつでもどこでも、スマホさえあれば。
罰則を厳しくしても、犯罪はゼロにはならない。厳罰化が進んでも飲酒運転が無くならないのと同じだ。自分だけは大丈夫、と思い込んでいる人間を止めるのは不可能だ。
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