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コロナ拡散日本も中国の責任問え

Japan In-depth / 2020年6月1日 23時0分

・昨年末から今年1月にかけて中国の最高指導層は自国内でのコロナウイルス感染症に適切な対処をせず、中国内部で多数の犠牲者が出ることを放置しただけでなく、数千、数万の感染者が国外に出ることをも黙認した。その結果、全世界で甚大な人的、経済的な被害を招いた。


・中国共産党政権はコロナウイルスについての秘密を隠蔽し、その危険性を十分に知りながら、諸外国の政府や国民に知らせないまま、ウイルスの国際的な大感染を引き起こした。その背景には各国政府が油断や楽観や無知により、自らの感覚を麻痺させてきたという実態が存在した。


・中国共産党政権はコロナウイルス大感染の以前から香港やウイグルでの人権弾圧を断行して、住民多数を苦しめてきた。アメリカはトランプ政権の主導の下、政府や議会が中国のこの弾圧政策に抗議をしてきたが、今回のコロナウイルスの大感染でそれまでの中国追及の勢いを削がれ、方向をずらされることとなった。


 


リビー論文は以上のように中国政府のコロナウイルスの国際的な拡散に対する責任を鋭く追及していた。その追及はウイルス問題だけでなく、中国政府がその以前から進めてきた香港や新疆ウイグル自治区での弾圧や抑圧の行為にも向けられるべきだと強調していた。


そのうえでアメリカは中国の今回のウイルスへの対処のゆがみを欧州諸国や日本と一致して追及することを提唱していた。日本に対してはトランプ政権が安倍晋三首相の以前の対中姿勢を高く評価したことを指摘して、とくに大きな期待を表明していた。


その要旨は次のようだった。


 


・いまやコロナウイルスはベルリン、パリ、ニューヨーク、そして東京を襲った。アメリカ、ヨーロッパ、そして日本はいずれも中国政府の責任に関して明確な判断を下すことを余儀なくされるにいたった。曖昧な態度は許されない。各国の政治指導者たちは中国に対して断固とした抗議の言動をとらねばならない。


・トランプ政権が2018年に中国政府の不当な行動を非難するペンス副大統領による重要演説を明らかにしたとき、日本の安倍首相はとくに強く賛同を表明した。他の諸国の指導者の多くは下を向いたり、沈黙を保ったり、明らかに中国を恐れて、前向きな態度をとらなかった。だが今回は明確な対応をみせないことの危険性が十分に証明された。


 


リビー論文はこのように安倍首相へのトランプ政権からの期待の大きさを強調して、とくに日本政府にアメリカと一体になってのコロナウイルス拡散での中国政府の責任への追及や糾弾の言動を頼りにしているという基本線を明示したのだった。


中国への融和ともうけとれる言動を散見させるようになった安倍政権が果たしてどこまでこのアメリカ側の期待に応じられるのか、その展望は日米同盟の連帯にも影響を及ぼす動向としていまや注目されるわけである。


トップ写真:平成29年11月11日(現地時間)、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議にて習近平中国国家主席と握手する安倍首相 出典:首相官邸


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