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「元気なバカ」を見習っては? 家にいるなら邦画を見よう 最終回

Japan In-depth / 2020年6月2日 18時0分

実はこの他に、若き日の小沢仁志が敵対する高校の番長役で出演している。前に紹介した『二代目はニューハーフ』の企画・脚本・監督を手掛けた他、数多くのVシネマで大物ヤクザを演じている。


さらに「実は」を重ねると、他のツッパリ高校生たちも順当な成長(?)を遂げたらしく、これまた前に紹介した『極道の妻たち』に、清水宏次朗らがチンピラヤクザの役でそろって出演していたのには笑った。


仲村トオルは、なにを血迷ったか警察官となり、1986年から日テレ系で放送された『あぶない刑事』シリーズで、なかなか味のある演技を見せてくれていた。


もう一本は『ドロップ』(2009年)。


お笑いコンビ・品川庄司の品川ヒロシの手になる同名の小説が原作で、こちらは2006年に出版されている。



▲写真 品川ヒロシ(2014年10月23日 東京国際映画祭)出典:Dick Thomas Johnson


全寮制の私立中学に通っていた主人公・信濃川ヒロシが、不良にあこがれてドロップアウトし、狛江市の公立中学に転入したことから巻き起こる、ドタバタと言うかスラプスティックと言うか、とんでもない喧嘩騒ぎの連続。


著者の品川自身が監督・脚本を担当したのが、この映画だ。


つまりは自伝的小説が基になっているわけで、検索してみたところ、彼は確かに、高名な美容家を親に持つ「いいとこの子」らしいが、その半生にとりたてて興味はないので、私は原作までは(漫画も含めて)読んでいない。


映画だが、主演の成宮寛貴、水嶋ヒロはじめ、女子も含めた主要キャストが誰一人として中学生には見えないという欠点はあるものの、そこに目をつぶれば、とにかく面白い。


調布市の、暴走族メンバーでもある中学生(これがまた、本職のヤクザにしか見えないが、実は礼儀正しい一面もある笑)に派手に痛めつけられ、仕返しに行くシーンがある。


当然ながら無免許運転で、乗用車でもって暴走族のたまり場に突入し、何人か「死なない程度に」轢いた後、鉄パイプを振り回して大暴れという、まあ「よい子は真似してはいけません」では済まされないが、映画の乱闘シーンとしては出色の出来であった。



▲写真 映画『ドロップ』で主役を務めた成宮寛貴(2015年4月12日 第75年桜花賞表彰式) 出典:Ogiyoshisan


いずれにしても、こうした映画に描かれているのは、


「目が合っただの、足を踏んだだので喧嘩がはじまり、そこで勝ち残るのが本物の不良」


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