バヌアツで性のタブーに挑む
Japan In-depth / 2020年6月6日 18時15分
この時、「MAMA’s Leaf Vanuatu」の中心人物であるメアリーさんと友人でニュージーランド人のベリンダさんがバヌアツ人女性をサポートしたいと強く思いました。これが、「MAMA’s Leaf Vanuatu」の始まりです。
ベリンダさんが布ナプキンというものをメアリーさんに教え、その後すぐ、メアリーさんの住む村のママさんたちを集めて、布ナプキン作りのワークショップを開きます。(2015年11月)
ベリンダさんが、海外の支援団体などに掛け合い資金を調達し、メアリーさんは、現地でママさんたちと布ナプキンを作り、各地に届ける。
そんな活動を続けること5年。その間には、全島民が島外避難したアンブレム島の火山噴火、今年4月、サント島を中心に甚大な被害をもたらしたサイクロンハロルドの襲来など、国を揺るがすほどの大きな自然災害がありました。被災した女性を含め、多くのバヌアツ人女性に合計34200枚、5710セットの布ナプキンを届けています。
▲写真 メアリーさんと旦那さん(筆者提供)
彼らは、布ナプキンを届けるだけでなく、村や学校を訪問し、性に関する啓もう活動や性教育も行っています。
バヌアツではタブーとされていた分野なので、子供はもちろん生理の周期や妊娠の仕組みをしらない大人もたくさんいます。思春期の子が突然自分から血が流れるのを見て、死ぬのかもという恐怖に陥るという話も聞いたことがあります。生理の時は男性に近づくと妊娠すると本気で思っている人もいます。「MAMA’s Leaf Vanuatu」のママさんたち自身がインターネットで講義をうけて勉強し、正しい知識をバヌアツの人々に伝えています。当初、ママさんや少女たちを対象に始めたこの活動ですが、2018年からは、成人男性や少年たちにも行っているそうです。
▲写真 学校での講義の様子(女子生徒):筆者提供
▲写真 学校での講義の様子(男子生徒):筆者提供
2020年5月現在、56の学校、31の村を訪問し、女性1052人、少女(18歳以下)1052人、男性165人、少年(18歳以下)426人に直接、講義をしました。
女性はもちろんのこと、男性も興味深く話を聞くそうです。昔ながらの生活が未だに残るバヌアツで、タブーに挑むことは、大変なこと。しかし、彼らは、少しずつですが、確実にバヌアツ人の意識を変えています。
また環境面においても、彼らの製品が注目されています。バヌアツは、環境問題に世界でもいち早く取り組んでいる国。2018年には、プラスティックのレジ袋やストローの使用を世界て初めて法律で禁止しました。
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