NY、日常崩壊からの再出発
Japan In-depth / 2020年6月9日 15時0分
興味深いのはフロイド氏が殺害されてから約一週間後の6月2日、6月3日に行われた公共放送NPRの世論調査で、「各地で起きるデモに対するトランプ大統領の反応をどう思うか?」との問いに、民主党支持者の92%が「緊張を高めている」としたのは当然としても、共和党支持者の41%が「緊張を和らげている」とした一方で、「高めている」と答えた人が29%、そして「わからない」とした人が30%もいたことである。
NPRによればトランプ大統領に対するこの手の調査で、共和党支持者の考えが割れることはめずらしいという。デモに対する一連のトランプ大統領の対応を見て、何があってもトランプ大統領を支持してきた人たちのあいだで、変わらず支持したい気持ちがあるものの、動揺が見て取れはしまいか?
ニューヨークではコロナ禍を収束させる為に皆が結束しているように見えた。見え始めた出口を前に、フロイド氏殺害事件と、一連の出来事はコロナ禍の存在など忘れてしまうほどの衝撃度を持っていた。
続いていた各地の暴動は、扇動や略奪を目的としていた者達の存在が明らかになるにつれ、皆が冷静さを取り戻しつつある。だが皆の怒りは収まることはない。たぶんこれからも。
■ 分断か、結束か。
新型コロナウイルスとの戦い100日目を迎えるニューヨーク。
100日、という数は達成された目標の数字ではない。
たった今ようやく、スタートラインに立てた、というだけのことなのだ。
コロナ禍のさなかに起きたフロイド氏の事件。その連鎖。それをきっかけに起きた出来事もアメリカがかつて経験したことが無いものであった。これらを皆が経験して、過去に戻らない、新しい社会を人々で作っていく。そういうこれからにならないものか。
トップ写真:ニューヨーク・マンハッタンのアスター・プレイスでのデモ行進(2020年6月2日) 出典:Eden, Janine and Jim
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