「政府への不信感払拭が不可欠」山尾志桜里衆議院議員
Japan In-depth / 2020年6月11日 18時0分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年5月30日放送
Japan In-depth 編集部(坪井恵莉)
【まとめ】
・黒川氏は定年延長問題等ではなく、賭けマージャンのみを理由に辞任。
・安倍内閣は閣議決定のみで、長年の原則を180度転換。
・検察庁法改正案は「検察の属人性」を否定する検察の原則と矛盾。
今回はゲストに衆議院議員の山尾志桜里氏を招いた。検察官の経験を持つ山尾氏に、先日辞任した東京高等検察庁元検事長の黒川弘務氏を巡る一連の問題について、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
■ 黒川氏の辞任
細川氏は「近年でも最大級の政権の失態」だと述べ、黒川氏辞任について、山尾氏の考えを聞いた。
山尾氏は黒川氏の辞任は当たり前だとしつつも、「定年を延長するという政府の決定自体が違法だから辞めるべきだった」と述べ、「賭けマージャンの発覚だけを理由に辞めたのはおかしい」との考えを示した。
さらに、賭けマージャンへの処分が、「訓告」だったことにも疑問を示した。今回のような重大な問題では、退職金を受け取ることが出来ない懲戒処分も検討すべきだと山尾氏は指摘し、十分な調査がされないまま、「訓告」という法律にも定められていない内部の軽い処分で済ませたことを問題視した。
■ 黒川氏の定年延長
細川氏は次に一連の問題の発端となった、検事長の定年延長に関する問題点について聞いた。
山尾氏は、政府が長年支持していた「検察官に定年延長はない」という原則を安倍内閣が閣議決定によって容易に変更した点を挙げた。
「法律の解釈変更は内閣に与えられた権限」だとして安倍政権を擁護する声もあるが、山尾氏は「(権限にも)おのずから限界がある」と述べた。
今回のように「検察官に定年延長はない」という明確な政府の答弁が過去行われたにも関わらず、これを「180度ひっくり返す解釈変更は、内閣ではなく立法府である国会で審議を行ったうえで実行すべき」だと述べた。
細川氏は、検察官の定年延長について「司法の人事に内閣が介入することで三権分立が侵される」と批判の声が上がる一方、「各省庁の人事に内閣は一定の権限を持つため問題がない」とする意見もあると指摘した。細川氏はこの問題について山尾氏の意見を聞いた。
山尾氏は「確かに検察官は国家公務員であるが、国家公務員の規定が全て検察官に適用されるわけではない」と述べた。その理由として「検察官は国家公務員の中で唯一内閣総理大臣を起訴する権限を持っている」として、検察官は他の国家公務員よりも特に内閣から独立していなければならないことを強調した。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
社説:検察の独立性 許されない政権の人事介入
京都新聞 / 2024年7月2日 16時0分
-
橋下徹氏 黒川元検事長の定年巡る文書開示命令の判決に「抜本的に日本の政治行政の透明化をするべき」
スポニチアネックス / 2024年6月30日 10時52分
-
青木理氏 黒川元検事長の定年延長裁判に「安倍政権のありさまを改めて考えなきゃいけない」
東スポWEB / 2024年6月28日 19時9分
-
黒川氏の定年延長、文書開示判決 法務省協議の記録で大阪地裁
共同通信 / 2024年6月27日 18時27分
-
法解釈変更は「黒川氏のため」 元検事長の定年延長問題、大阪地裁が認定
産経ニュース / 2024年6月27日 14時0分
ランキング
-
1NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
-
2尖閣周辺の日本船を名指しで「退去を警告した」、中国海警がSNS投稿繰り返す…実効支配を宣伝か
読売新聞 / 2024年7月5日 15時0分
-
3U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分
-
4【速報】東京・大田区で住宅火災 100平方メートル延焼中 消防車など41台が出動し 消火活動
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月5日 11時17分
-
5漂白剤が混ざった水を客に提供 福岡市本社のレストラン「ピエトロ」 警察が業務上過失傷害の疑いで捜査
RKB毎日放送 / 2024年7月5日 11時41分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)