「香港国家安全法反対の立場を明確にせよ」佐藤正久参議院議員
Japan In-depth / 2020年6月12日 11時18分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年6月6日放送
Japan In-depth 編集部(油井彩姫)
【まとめ】
・日本は香港国家安全法反対の立場明らかにすべき。
・米対中策を支持し、英と連携し中国に圧力を。
・チャイナプラスワンやサプライチェーンの見直し必要。
今週は、参議院議員で自民党外交部会長代理、元外務副大臣の佐藤正久氏に、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
■ 香港国家安全法に対する日本の立場
まず、中国で採択された香港国家安全法をめぐる一連の流れに対して日本はどうすべきかについて取り上げた。香港国家安全法とは、中国が香港に対して、言論や活動の自由、外国との関係における自由などを制限して取り締まる権限を持つ法のことである。この法に対しては、香港が中国に返還された時の一国二制度を覆すものであるとして、世界の先進国が抗議の声を上げている。日本でも、自民党外交部会が外交調査会と合同で中国を非難する決議文をまとめ、官邸に提出した。また、イギリスの団体が世界の議会人に呼びかけた表明に有志で署名するという動きもある。しかし、日本政府としてはこの中国の非民主的な動きに憂慮すると表明しただけにとどまっている。
この日本政府の対応について、佐藤氏は、 「日本政府は、香港の自由と人権を制限する法は認められず反対だ、という立場を明確にすべきだ」と述べ、日本政府は香港国家安全法について反対の立場を明らかにすべきとの考えを示した。
その理由として佐藤氏は、「日本外交の基本は、自由民主主義、基本的人権、法の支配の三本柱であり、この法はこれと相容れない」とした上で、「今回反対しなければ、自由と法の支配を標榜するインド太平洋構想に関する日本の主張が説得力を失う」と述べ、中国の香港支配は、インド太平洋地域における中国の影響力拡大につながるとの懸念を示した。
さらに佐藤氏は「日本が一国二制度を支持するのであれば、一国一制度を担保するような今回の中国政府の決定を絶対認めてはいけない」と述べ、抗議の姿勢を強く打ち出すべきとの考えを示した。
■ 日米関係と香港
細川氏は、「日本が強い抗議の姿勢を示せないの理由は、ひとつは米中関係の狭間に置かれているということ、そして日本の中で中国の位置づけをどうするのかという二つがあると私は思う」とした上で、アメリカが香港への優遇措置を見直したりビサを無効にするなど強硬な姿勢を取っていることに触れ、「(アメリカは)当然日本にも強硬な姿勢を期待していると思われる。日米関係を考える上で中国への対応はどうすべきか」と、佐藤氏に聞いた。
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