山本太郎で東京都はこう変わる⁉~東京都長期ビジョンを読み解く!その94
Japan In-depth / 2020年6月16日 10時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・山本太郎氏が東京都知事選に立候補。
・「自己責任」社会への疑問。山本都知事の政策と課題とは。
・都知事選では「社会観」を問う政策論争を期待。
山本太郎氏が東京都知事選挙に出馬を表明した。本連載でも執筆(「山本太郎都知事はあるか? 東京都長期ビジョンを読み解く!その83」参照)したが、私の期待に応えてくれた形になった。(笑)
そもそも、現職の小池氏の「圧勝」とみられる中で、勝ち目が厳しいことも想定済みのはず。その意味で、勇気のある決断であり、そこは評価をしたい。
野党統一候補になる話を蹴って、出馬した理由は定かではないが、選挙戦を頑張ってもらいたいものだ。
■ ベースにある「自己責任」社会への疑問
山本氏の基軸にあるのは「自己責任」への問題提起だ。
「自己責任社会の中で、自分は誰かを頼っていいなど考えたこともなく、たった1人で苦しみ続けている」
「多くの人が『この仕事を選んだ自分のせい』『非正規の自分のせい』『貯金がない自分のせい』と言うけれど、それは違う、全然違うと声を大にして言いたい」(山本太郎オフィシャルブログより)
弱者に寄り添う、まっとうな理念と言える。なぜ政治家として活動するのか、なぜ政治にかかわらないといけないのか、根本的な理由ともいえよう。心に訴えるメッセージであり、人の尊厳を取り戻すという意味で素晴らしい。
「東京の人口は日本の約1割。東京のGDPは約107兆円、これは日本のGDPの約2割。東京が沈めば、日本が沈む速度は当然加速する。そこにブレーキをかけるチャンスが都知事選にある。だからそれに賭けた、立候補を決めた」(山本太郎オフィシャルブログより)
ということで都知事選に出馬を固めたようだ。東京が変われば、日本政治、日本社会に与える影響は大きいので、政治家としてはチャンスといったところだろう。
■ 公共政策としての評価は???
公共政策の専門家として見てみよう。
【主な政策案】
(1)東京五輪・パラリンピックの中止
(2)全都民に10万円給付
(3)授業料1年間免除
(4)中小零細企業・個人事業主にマイナス分を補てん
(5)病院を金銭的に支援
(6)新型コロナウイルス第2波が来た際には都民1人に10万円
(7)同様に、事業者には100万円
(8)医療従事者、駅員、スーパー店員などエッセンシャルワーカーに危険手当として日給2万5000円
(9)ロストジェネレーションやコロナ失業者を対象に都職員3000人採用
(10)都立病院の独立行政法人化中止
(11)都に災害対応の「防災庁」設置
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