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「日本初の女性首相」当分無理?(上)ポスト・コロナの「勝ち組」メルケル独首相その2

Japan In-depth / 2020年6月28日 23時0分

と語っていた。ところが、彼女が推していた保守党右派の男性議員が、下層階級の女性に対する差別発言をしたとして、マスコミから袋叩きにあったことから、英国憲政史上初の女性首相への道が開かれたのである。


よいか悪いかは別にしてだが、やはり歴史に名を遺す人というのは、なにかこうした運を持っているのだろうか、などとつい考えてしまう。


メルケル首相に話を戻して、彼女が東ドイツ出身であることを逆に利用している例は、今次の新型コロナ禍への対応にも表れていた。感染拡大を防ぐべく移動の自由が制限されたわけだが、その発表に対して、


「私のように苦労して移動の自由を手に入れた者にとっては、こうした権限の行使は、どうしても必要な場合にのみ正当化されるのです」


と述べたのだ。多くのドイツ国民はこの発言を歓迎し。日本を含む諸国のマスコミでも好意的に紹介されたが、どうもこれは、いささか「話を盛っている」可能性がある。


と言うのは、彼女の父親は西ドイツ出身の聖職者だが、東ドイツ政府に協力的な「進歩的人士」とされていたし、彼女自身も博士号を持つ理系のエリートで、しかもノンポリであったことから、旧東ドイツにおいても、西側に旅行しようと思えばできたらしいのだ。


たとえそうであったとしても、彼女の場合、


「実は東ドイツ時代にも移動の自由を謳歌していたのに、それを隠していた」


ということでは全くない。「詐称疑惑」は存在しないのだ。


ひるがえって、我が国の女性政治家たちはどうか。


ここでひとつ、お断りしておきたい。


前回、どうして日本には未だに女性首相が誕生しないのかという問題について、


「小池都知事の問題を中心に論じたい」


と述べたが、これはひとまず撤回させていただく。理由は簡単で、すでに都知事選の最中であるから、特定の候補の資質を云々する記事を、公共のメディアに掲載するのははばかられるというだけのことだ。決して「忖度」ではない笑。


ただ、彼女は現職でもあり、読者の便益も考えて、本稿での表記は「小池都知事」で統一させていただくことを併せてお断りしておく。


小池都知事以外にも、有力候補と称されたり、かつてはそう目された女性政治家が幾人かいるので、彼女「たち」の言動を再検証して、日本初の女性首相にふさわしい資質を備えているかどうかを、あらためて考えてみたい。



▲写真 小池都知事 出典:東京都知事 小池百合子の活動レポートFacebook


小池都知事の政治家としての出発点は1992年、細川護熙・元首相が立ち上げた日本新党から出馬し、初当選したことである。それ以前はTV東京のキャスターであった。


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