トランプこき下ろすボルトン
Japan In-depth / 2020年6月30日 14時0分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の外交・安保カレンダー【速報版】 2020#27」
2020年6月29日-7月5日
【まとめ】
・ボルトン暴露本「トランプは大統領の器でない」と断ず。
・「2期詰めるべきではない」と求める。
・しかし内容に新味なく、大統領選への影響は少ない。
ボルトン元NSC担当補佐官の暴露本発売から早くも一週間経過した。あの保守強硬派ボルトンが昨日曜日朝のCNN政治番組に出演、トランプ政権をこき下ろすなんて一体誰が予想しただろう。やはり私怨なのか。同書については既に先週の段階で書いている。幸い、今読み直しても、怪しげなコメントはしていないようだ。
今回一つ、従来と異なる手法を用いてみた。発売後直ちに電子版を購入し、全文に目を通すことにしたのだ。勿論、今週のコメントは全て、報道や伝聞ではなく、自ら読んだ上で書き下ろしたもの。重要部分に黄色マーカーを引き、個人的感想を書き込んでから、再度関連部分を整理してコメントするやり方も、従来と全く変わらない。
今回異なるのは、こうした事前作業を全てパソコン上で行ったことだ。電子版図書は従来「食わず嫌い」というか、何故か殆ど利用してこなかった。だが、今回は自分の愚かさを後悔した。Kindle、何と便利なことか。印刷本では不可能な「全文キーワード検索」だって簡単にできる。おかげで今回は効率良く短時間で全文精読までできた。
それでも結論は変わらない。要するに、
①トランプは大統領の器ではなく、②2期務めるべきではない、③暴露された内容にあまり新味はなく、従って、④大統領選への影響も少ない、ということに尽きる。この暴露本については今週のJapanTimesや日経オンラインに視点を変えたコラムを書いたので、ご一読願えれば幸いである。
ボルトンはこのくらいにして・・・。今週も巷の関心はコロナウイルスばかりで、ニュースの「夏枯れ」が続いている。そんな中、筆者が最も気になったのは、「ロシアがアフガニスタンのタリバン系武装勢力に対し米軍を含むNATO軍兵士殺害のために報奨金を支払っていた」というニュースだった。ふーーん。
▲写真 アフガニスタンのチンファルシ(2010年4月18日)-州復興チーム 出典:Flickr; ResoluteSupportMedia
筆者の第一印象は「えっ、何が問題なの?当たり前じゃない」というものだった。だが、米国のCNN等反トランプ・メディアは「大統領は事前に知っていたのか、知っていたのに何もしなかったのか」というお得意の問題提起を始めた。対するトランプ氏も、いつも通り、「そんな話は聞いていない」と苦し紛れに反論している。バカバカしい。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「外交は内政の延長」―メディアの振る舞い批判に潜む課題
Japan In-depth / 2024年11月27日 14時22分
-
ウクライナが米国製ミサイルをロシア領内に発射 プーチン大統領は〝変化球〟で反撃か
東スポWEB / 2024年11月21日 6時4分
-
米大統領選、「例外主義」の終わりの始まり
Japan In-depth / 2024年11月13日 11時0分
-
米大統領選、選挙結果は今週中には確定しない
Japan In-depth / 2024年11月5日 22時0分
-
与党過半数割れで示唆されるポピュリズムの影
Japan In-depth / 2024年10月30日 14時56分
ランキング
-
1「僕は無実です。独房で5年半くじけずに闘い続けて良かった」2歳女児への傷害致死罪に問われた父親に『逆転無罪判決』
MBSニュース / 2024年11月28日 18時25分
-
2原発の汚染水処理めぐり12億円を詐取か…64歳の会社役員の男を逮捕 架空の発注があったかのように装った疑い
MBSニュース / 2024年11月28日 19時40分
-
3財源明確化、国民民主に求める=年収の壁で「論点」提示―自公両党
時事通信 / 2024年11月28日 16時5分
-
4194キロ衝突死、懲役8年判決…当時少年の男に危険運転致死を適用
読売新聞 / 2024年11月28日 15時40分
-
5「日本人は大好きだけど、もう限界です…」『ハッピーケバブ』在日クルド人の社長が悲鳴、親日感情をへし折る"ヘイト行為"の実態「理由もないのにパトカーを呼ばれて…」「脅迫めいた電話が100回以上」
NEWSポストセブン / 2024年11月28日 18時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください