1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

都の行財政改革に挑む元熊本県副知事 東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】

Japan In-depth / 2020年7月1日 12時56分

第四に、政治手法を明確にしていることだ。公約にこういう視点を各候補者は、めったにいない。


なかでも、


 ・異なる意見や考えを排除せず傾聴・議論し、一人ひとりの知恵を力に!


 ・議員からの質問に対する、議会での誠実な答弁の徹底


 ・現場主義を貫き、都民一人ひとりの現場まで出向き、思いを伺う


 ・職員を信頼し、失敗をおそれず都民の幸福のために挑戦する組織文化をつくり、その能力を最大限引き出す


 ・徹底した情報公開を実施するとともに、後世に責任を果たせる公文書保管の仕組みを構築し、確実に運用する


まさに経営コンサルとしてのナレッジをもとに、現場で実践してきた人、そこでの失敗から学んで成長してきた人だけが考えられる知見といえよう。



3 疑問点


しかし、疑問点は2点ある。


(1)IR


選挙公報にも「IRを積極的に誘致」とある。IR、カジノ誘致を今さら?と思うのだ。横浜での問題を知っているのでしょうか?と聞きたい。横浜市の事例を見れば、そのエビデンスのなさが次々明らかになっている。科学的に検証すれば、その条件設定の陥穽や財政への貢献度のまやかしも見えてくるはずなのだが。IRについては新型コロナウイルス対策にも問題であるし、そもそも時代にあっていない。「オンラインカジノ」で十分でしょう。おそらく、これは党の方からの要求なのだろうと推察される。


(2)江戸城再建


「江戸城天守の再建を行い、東京の魅力を高めることで観光客を呼び込み、賑わいを取り戻します」と主張し今後都民の皆様と対話しながら充実していくそうだが、そこに疑問がある。


第一に今は天皇陛下のお住まいになっていること。第二に、莫大なコスト。第三に、周りの景観。周辺の建物の解体や東京の高さ規制を強化して初めて江戸城の価値がわかる。首相官邸と同様、周りの高い建物から見下す江戸城というのもなんとも。第四に、城という安易な観光名所づくりで、さらなるオーバーツーリズムを招きかねない。


歴史的には、江戸幕府の拠点に移ることで統治者が変わったことを内外に明治政府が知らしめた意味もあっただろう。その意味で大日本帝国の後継政府ともいえる日本政府の反感を買わないか、大丈夫かと心配してしまう。



▲写真 江戸城趾・天守台跡 出典:フォト蔵


4 評価


評価結果とその理由は以下になる。(☆は1~3で評価)


問題意識   ☆☆☆


【理由】公務だけでなくプライベートでの自身の体験と実感ベースの問題意識を持っている。熊本地震の経験、がん患者としての想いが反映されている。



政策としての基礎条件   ☆☆


【理由】エビデンスの重視、集団教育のあり方や部活動のあり方を検証するなどそもそもの見直しを提起するなど、政策マネジメントの基礎が充分理解されている。



政策の具体性   ☆☆☆


【理由】具体的かつ先進的である。



政策の網羅性   ☆


【理由】網羅されていない部分もある。同性パートナーシップ都条例への理解など、リベラルな政策もあるものの、HPに掲載されている部分では全体的な分量が少ない。



実行可能性   ☆☆☆


【理由】問題解決型であり、現代的。熊本での実績は知らないのですが。



以上、感情を殺して文章を書きました。上記あくまで私の意見ですのでご参考に。繰り返しますが、特定個人を応援する目的で記載していませんので悪しからず。


トップ写真:小野たいすけ候補 出典:小野たいすけ 東京都知事候補【公式】@taisukeono


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください