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バンコクで学生ら反政府デモ

Japan In-depth / 2020年7月21日 1時32分


▲写真 ワチラロンコン タイ国王 出典:Thai Public Relations Dept.


タイでは王室批判は「不敬罪」の対象となり、外国人、外国メディアを含めて厳罰に処せられることで有名で、一種のタブーとなっている。しかし現実問題として一般のタイ国民にとってはプミポン前国王(2016年死去)から長男のワチラロンコン現国王に代替わりしてもタイ王室が崇敬の対象であることには変わりない。


このため内閣退陣、国会解散などという政治的スローガンを掲げるこの日のデモ・集会に「王室批判」に繋がる「不敬罪撤廃」は大多数の参加者の支持を得られることはなかった、と現地記者は分析している。


周辺で警戒に当たっていた地元警察は「デモ・集会は無届で違法なものである」「コロナ感染予防の保健衛生上のルールが守られていない」などとして参加者との間で小競り合いが頻発するなど不穏な状態が続いた。


このため主催者側の各組織団体が協議して19日の朝まで続ける予定だったこの日の集会を日付が変わる19日午前零時前に自主的に解散することを決定し、警察との間での大きな混乱は避けられた。


 


■ 内閣改造へ、デモ主催者の逮捕要求も


今回のデモ・集会とは直接関係ないものの、プラユット内閣から同じ与党のソムキット副首相らソムキット派閣僚4人が7月15日に辞表を提出して閣外に去った。原因は与党内の内紛とみられているが、これによりプラユット首相は小規模の内閣改造を余儀なくされる事態となった。すでに入閣候補者への打診が始まっているとの報道もあり、与党内でプラユット首相に近い人選になるのは確実視され、「軍政強化」の流れになりそうとの観測も流れている。


一方で今回の反政府デモ・集会に対し憲法保護団体や一部与党国会議員からは「法律に違反したデモや集会の主催者を警察は捜査して逮捕するなどしかるべき措置を講じるべきだ」と強硬論がでていると主要紙「バンコク・ポスト」が19日に伝えた。報道によればデモや集会に理解を示した一部野党国会議員に対しても警察は事情聴取を行うべきだと主張しており、反政府デモの余波が国会にも波及する可能性がでているという。


 


■ 著名モデルのデモ支持、政権批判拡大懸念


こうした中タイとスウェーデンのハーフの著名モデルで「元ミス・タイ」のマリア・リン・エレン(マリア・プーンレートラープ)さんが18日、自らのインスタグラムで「気をつけて、もし体調が悪いなら家にいて、そうでなく外にいるならマスクして。私もその場にいたかった」として学生らによる反政府デモへの支持を表明したことが「ザ・ネーション」紙で報じられた。


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