混迷極まれり「Go Toトラブル」
Japan In-depth / 2020年7月22日 9時16分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・国交省、「Go Toトラベル」のキャンセル料補償すること決定。
・その補償に使われるのは国民の税金。
・「Go Toイート」キャンペーンも始まり、さらなる混乱も。
またもや前言撤回、朝令暮改、腰砕け、である。
「Go Toトラベル」ならぬ「Go To トラブル」だ。「東京飛ばし」の次は、「キャンセル料補償」だ。
拙速にスタートさせたこの旅行業者救済事業、新型コロナウイルス感染症拡大が収まらないことから急遽、東京発着を対象外としたことから、困惑が拡大した。
既に予約した旅行をキャンセルしてキャンセル料を取られたらどうしてくれるの!という国民と観光業者らの憤怒の声に押され、国交省はあっさりと前言撤回、「補償しない」から一転「補償します」に転んだ。
7月21日に会見した赤羽一嘉国土交通相、ポイントは以下の通り。
・対象期間は7月10日から17日迄の予約。
・キャンセルした人は、キャンセル料を支払わなくて良い。
・旅行業者にはキャンセル料を受け取らないよう周知。
・旅行業者が既にキャンセル料を受け取っていた場合、旅行者に返金。
・旅行者が既にキャンセル料を支払っている場合、旅行業者に申請すれば返金を受けられるようにする。
・旅行業者が受け取るはずのキャンセル料の一定割合を実損分とみなし補償。
・「実損分」とは、キャンセル料のうち、食材や航空券の仕入れなど実際に事業者が負担した分。
さて、なんでこんなことになったのか?
政府の東京都に対する意趣返し、などと言う人もいるが、そんなことはともかく、こんな混乱を招いた原因はなんなのだろうか?
前記事で、一斉に延期することを提案したが、そうはならなかった。動き出した船を止めるわけにはいかなかったというわけか。
それにしても、こんな大混乱のために我々の血税が無駄に使われることにもっと国民は怒るべきだろう。
拙速なキャンペーンを企画し、混乱を招き、その後始末をしているのは、結局、霞ヶ関の官僚だ。彼らの給料は税金である。こうしている間にも残業しているはずだ。身から出た錆ではあるが、なぜ国民がその尻拭いをしなければいけないのか。
「Go To キャンペーン」の原資、合計約1.7兆円。こちらも税金だ。そして、今回のキャンセル料補てんにもこの税金が使われる。
まるで湯水のように旅行業界を救うため、税金が投入される。他にも青息吐息の業界がてんこもりあるというのに、だ。
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