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ウイグル人強制労働、日本企業に影響

Japan In-depth / 2020年7月30日 22時35分

ウイグル人強制労働、日本企業に影響


古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」


【まとめ】


・米政府、中国のウイグル人強制労働に経済制裁措置。


・中国当局は政治洗脳教育後のウイグル人を強制労働させていた。


・ウイグル人強制労働と関係する下請けに日本企業の名前も。


 


アメリカ政府は中国当局によるウイグル人の弾圧への抗議を強め、7月下旬、新たに中国企業11社がウイグル人の強制労働を利用してきたとして経済制裁の措置をとった。同時期にアメリカを拠点とする民間の人権擁護の国際団体が世界各国の企業にウイグル人の


強制労働を中国内部でのサプライチェーンに使わないことを呼びかけた。


こうしたウイグルに関する国際的な批判は中国で生産活動を展開する日本企業11社にも向けられた経緯があり、日本の経済界にとってもウイグル人権問題は中国での活動での大きな課題となってきたようだ。


アメリカ商務省はウィルバー・ロス長官名で7月20日、特定の中国企業11社に対してアメリカの技術や製品の購入を認めないという制裁措置を発表した。その理由はこれら中国企業が新疆ウイグル自治区、あるいは中国領土内の他の地域での生産活動でウイグル人の強制労働を使用していたことだとされた。


7月23日にはワシントンやニューヨークを拠点とする国際人権擁護組織の「ウイグル地域強制労働終結連合(Coalition to End Forced Labour in the Uyghur Region)」が合計180の各国の傘下団体を通じて中国の国内で生産活動を実施や下請けしている各国企業に労働を強制されたウイグル人労働者を使わないことを訴えた。


同連合はとくにウイグル人強制労働使用の中国側企業の製品を購入しているアメリカ大手企業のナイキやアップルに強い警告を出したという。


こうした動きの背景には中国当局がここ数年以上、新疆ウイグル自治区に住むイスラム教徒のウイグル人らを中国化するために政治や宗教の教育をする強制収容所に隔離してきたという経緯がある。中国当局は合計100万とも200万ともみられるウイグル人を拘束し、その多数を強制労働による生産活動にも従事させてきた。



▲写真  2018年1月、新疆ウイグル自治区ファイザバード県にあるJiashi専門学校の衛星画像。2017年以降にセキュリティインフラストラクチャが追加された(オレンジ色で囲われたエリア)複数の寮と教育用の建物は、完全にフェンスで囲われており、他の政治的教養キャンプに似たスタイルで隔離されているように見えます。さらに、閉鎖されたエリアに5つの小さな工場倉庫の建物が建設された。 出典: ASPI’s International Cyber Policy Centre.


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