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仏、都市封鎖で暴力事件多発

Japan In-depth / 2020年7月31日 23時39分

仏、都市封鎖で暴力事件多発


Ulala(ライター・ブロガー)


「フランス Ulala の視点」


【まとめ】


・フランス各地で過激な暴力と殺人が頻発。


・最低価格が急騰した麻薬が暴力事件の背景にある。


・カステックス首相、薬物消費に対する定額罰金の一般化を発表。


 


フランスはこの2カ月、過激な暴力と殺人が頻発している。これまでも夏になるとこうした事件が増加する傾向があったが、今年は新型コロナウィルスの流行で都市封鎖が行われた結果、さらに事態に拍車をかけている。


緊張が高まるフランス各地の一部の地域


7月だけでもフランス各地で数多くの事件があった。そのいくつかを例にあげよう。


一つ目は、7月4日にアジャン近くで検問中だった憲兵隊のメラニーさん25歳が亡くなった事件だ。メラニーさんが検問を行っている時、検問を避けるために突破しようとした時速130kmの暴走車にはねられたのだ。以前は柔道で活躍していた選手であり、まだ入隊してそれほど年数もたってなかった若者の死に多くの人が悲しんだ。


二つ目は、7月18日、リール、ムーラン地区で起こった事件。被害者のローラさん43歳は、家の前で騒いでいる若者を注意したところ、殴られ顎の骨を折った。起こった出来事を語りながら自らの痛々しい姿を映しだし、治安維持を望むローラさんの動画はフランスのSNSで拡散された。


三つ目は、7月20日、ニースのムーラン地区で起こった銃撃戦だ。一人が負傷したこの事件は日中に起こったことであり、普通に町の人々が利用するスーパーの前で繰り広げられた。それまではそこまで暴力が多発する地域とは認識されてはいなかったのにもかかわらず、この地区での銃撃戦はなんと、この1カ月で3回目。そのため大きな問題として受け止められており、ジャン・カステックス首相も視察に訪れた。



▲写真 ジャン・カステックス首相 出典:Wikimedia Commons; パブリックドメイン


このように、7月だけでもフランス各地で暴力的な事件が起こっていることがわかる。しかも、実は、これらの事件には一つの共通点があるのだ。それは麻薬だ。


一例目の、メラニーさんを死に追いやり検問を突破した26歳の容疑者の車の中には、165gの白い粉があった。検察は、「分析する必要があるが、おそらくコカインである」と説明している。それだけではなく、麻薬や交通違反で起訴された犯罪歴があった人物だ。容疑者はこの事実を発見されることを避けるため、車のアクセルを踏み検問突破をはかったのであろう。


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