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仏、都市封鎖で暴力事件多発

Japan In-depth / 2020年7月31日 23時39分

二例目のローラさんよれば麻薬密売はこの地区で長い間知られていたが、監禁が始まって以来激化しており、その結果、街路の緊張が高まっているという。家の前で騒がしくしていたのはこの地区の麻薬のディーラーだった。しかしながら、彼女は10年間ムーラン地区に住んでおり普段も同じように文句もいうが、このような攻撃を受けたのは初めてであるという。「新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐための都市封鎖は、弱体化しているディーラーに大きな打撃を与えました。そして、現在、彼らは24時間お金を稼ぐために存在感を高めようとしています。」と彼女は説明している。


3例目のニースのムーラン地区は、最近整備されたため、わりときれいな街である。しかし麻薬密売の多い場所であり、現在、明らかにこの地区は緊張した空気に包まれている。住民の不安は日々が続いていた矢先の出来事であった。


このように都市封鎖後に治安が悪化することは、フランスで都市封鎖が始まった3月の時点で予測もされていた。ロイターによれば、都市封鎖により厳しい国境管理がなされた結果、違法な麻薬の流れが混乱し、麻薬を取り扱うギャングが金利を引き上げ大麻の最低価格が急騰したという。


フランスでは大麻の使用は禁止されているが、ヨーロッパでも最も高い消費量を誇っている。そのほとんどの大麻樹脂はスペイン経由でモロッコから入ってくる。記事によれば、3月の時点で、100グラムの樹脂の塊の価格は、都市閉鎖期間にマルセイユでは280ユーロが500ユーロに値上がりしたのだ。大麻に限らず他の麻薬についても同じことがいえるだろう。



▲写真 大麻(マリファナ)イメージ 出典:Pixabay_freakwave


麻薬に関係する専門家からは、都市封鎖により麻薬の不足が長期化するとフランスの各地の都市の一部や刑務所で問題が発生する可能性が指摘されていた。麻薬集団間の競争はエスカレートする可能性があり、貧困地帯に住む麻薬使用者が麻薬を入手できなくなることにより、不安定な土台に作り上げられた脆弱な社会的平和がくずれるからだ。


 


規制を強化


こういった事情を受けカステックス首相は、薬物消費に対する定額罰金の一般化を発表した。2018年より一部の都市で適用されてきた規制が、9月からフランス全域に適応され、大麻を含む麻薬の使用が認められれば罰則が科せられることになる。罰則内容は以下の通りだ。15日以内に払えば150ユーロ(約1万8500円)。45日以内なら200ユーロ(約2万4700円)。45日を超えると45ユーロ(約5万5000円)。罰金を払わない場合は、裁判所にまであげられ最高で3750ユーロ(約46万5000円)の罰金と1年の禁錮刑が科されることとなる。


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