北朝鮮、金体制最大の経済危機
Japan In-depth / 2020年8月24日 12時0分
北朝鮮は、サイバー攻撃で仮想通貨を略取したり、高騰している金の密輸などでなんとか外貨を獲得しているが、金正恩の統治資金は底をついているという。
3)洪水による穀倉地帯への打撃で予測されるさらなる食糧難
8月初めの洪水被害も相当に広範囲で被害があった。一説によると耕地面積の30%に及んだとの情報もある。朝鮮中央通信の報道によると、農作物への全国的被害面積は3万9296ヘクタールに及び、家屋1万6680余世帯と公共施設630余棟が破壊されるか浸水し、多くの道路と橋、鉄道が断ち切られ、発電所のダムが崩壊するなど、北朝鮮経済に深刻な被害を与えたという。
▲写真 8月24日の労働新聞WEB版に「洪水被害を一日も早くおさめて人民に安定した生活を保障しよう―利川群で―」と題された写真 出典:労働新聞
特に被害が多かったのは、江原(カンウォン)道と黄海(ファンヘ)北道だったとされているが、注目すべきは、黄海道に甚大な被害が及んだことだ。
黄海道は、韓国の全羅(チョルラ)道と並び、朝鮮半島における2大穀倉地帯と言われている地域で、平壌の食料を補給する基地でもある。そこが打撃を受けたということは、今後の平壌の食糧事情に深刻な影響が及ぶということだ。それでなくとも厳しい平壌の配給状況が、今後ますます深刻化する可能性が高まった。
平壌の豪雨も凄まじかった。2007年の夏にも豪雨があり大同江(テドンガン)の水が溢れ大きな被害を出したが、今年の豪雨は13年前よりも激しかった。大同江の中洲の羊角島(ヤンガクド)が1mほど水に浸かり、大同橋平壌駅も水没する寸前となった。
北朝鮮が来年の党大会で、いかなる起死回生策を打ち出してくるかはわからないが、いくらあがいても、核を放棄して改革開放に進まない限り、同じことが繰り返されるだろう。
トップ写真:朝鮮労働党中央委員会第7期第6回総会での金正恩委員長(2020年8月19日) 出典:労働新聞
この記事に関連するニュース
-
北朝鮮で「国防発展−2024」が開幕…金正恩氏が記念演説
デイリーNKジャパン / 2024年11月22日 15時44分
-
金正恩氏がロシア資源担当者を笑顔で迎える「両国の共栄と発展を」対ウクライナで兵士派遣の中
日刊スポーツ / 2024年11月20日 11時19分
-
ロシア軍事教育の代表団が訪朝 交流加速か、経済分野も
共同通信 / 2024年11月19日 8時57分
-
北朝鮮で軍大隊指揮官大会…金正恩氏「戦争準備に総力を」
デイリーNKジャパン / 2024年11月18日 10時0分
-
「被害復旧を12月党総会までに」金正恩氏、水害被災地で強調
デイリーNKジャパン / 2024年11月5日 12時51分
ランキング
-
1財源明確化、国民民主に求める=年収の壁で「論点」提示―自公両党
時事通信 / 2024年11月28日 16時5分
-
2「僕は無実です。独房で5年半くじけずに闘い続けて良かった」2歳女児への傷害致死罪に問われた父親に『逆転無罪判決』
MBSニュース / 2024年11月28日 18時25分
-
3194キロ衝突死、懲役8年判決…当時少年の男に危険運転致死を適用
読売新聞 / 2024年11月28日 15時40分
-
4原発の汚染水処理めぐり12億円を詐取か…64歳の会社役員の男を逮捕 架空の発注があったかのように装った疑い
MBSニュース / 2024年11月28日 19時40分
-
5闇バイトで金銭トラブルか 留学生を監禁・恐喝未遂容疑で中国籍5人逮捕 警視庁
産経ニュース / 2024年11月28日 13時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください