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バイデン候補、弱みの歴史

Japan In-depth / 2020年8月25日 11時0分

バイデン候補、弱みの歴史


古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」


【まとめ】


・バイデン候補、キノック党首の演説を何度も模倣した過去。


・バイデン氏の事実錯誤の連発から認知症疑惑も持ち上がった。


・米軍将校の言動を告げる美談もバイデン氏の記憶違い。


 


「なぜ私がキノック家の何世代ものなかで初めて大学へ行けたのか。なぜ私の妻が彼女の家族の歴史で初めての大学入学者となったのか」


「なぜ私がバイデン家のなかで初めて大学へ行けたのか。なぜ私の妻が彼女の家族のなかで初めての大学入学者となったのか」―――


この二つの言明は「キノック」と「バイデン」を交換すれば、まったく同じ表現だといえよう。実はこの一致がこれから本格化するアメリカ大統領選挙で話題となりそうなのだ。


同大統領選ではジョセフ・バイデン前副大統領が正式に民主党候補に決まった。共和党側も24日からの党大会でドナルド・トランプ現大統領を正式の候補に指名する。そして本番の選挙戦が火ぶたを切る。


この戦いではバイデン候補の過去の言葉の誤用が焦点の一つになることは確実である。バイデン氏には放言、失言や他者の言葉の盗用がこれまであまりに多かったからだ。共和党側はその点を突こうと手ぐすねをひいている感じなのである。


バイデン氏と言葉といえば、最初に大統領選に立った1988年の言葉の盗用が最も広く知られてきた。英語でいうとplagiarism (プレイジャリズム)、剽窃(ひょうせつ)、つまり言葉の盗用だった。公人にとってこの非難を浴びせられたときの重みは深刻となる。


バイデン氏は上院議員から大統領に立ち、その初期の演説の冒頭で上記の言葉を述べたのだ。だがすぐにその言葉はその数カ月前に当時のイギリス労働党のニール・キノック党首の演説と同じだったと指摘された。調査の結果、このバイデン演説にはそのほかにも多数のキノック演説の模倣があることが判明した。



▲写真 ニール・キノック氏(2007) 出典:Flickr; Olya & Richard


バイデン氏もすぐにその模倣を全面的に認めて、謝罪をした。だがこの盗用は時のアメリカ大統領選の冒頭に起きただけに大きな波紋を広げ、その後、長く「バイデン氏の剽窃」として記憶されることとなった。


バイデン氏はその率直でオープンな人柄で庶民的な人気は高い。「いっしょにビールを飲みたい政治家」というアンケートではいつも上位となる。だがその一方、言葉に関するトラブルが絶えなかった。


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