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高知東生氏自叙伝「生き直す」発売に寄せて その2 生い立ちと心の傷を知る

Japan In-depth / 2020年8月27日 11時0分

そこでまずは芸能界うんぬんよりも、講演活動などで高知氏に回復プロセスを率直に語っていただけるよう、一度はご自分の口で薬物事件そして今の状況について説明して頂く必要があると考えていた。それをしないといつまでもマスコミに追いかけ回され、あることないことどころか、ないことないことの憶測記事が止むことがないと目に見えていたからである。


そして出会いから1か月後2019年3月に高知氏を当初の直感通りJapan In-depthのニコ生に引っ張り出すことにしたのである。



▲写真 国立精神・神経研究センター 薬物依存研究部部長松本俊彦氏(左)と高知東生氏と田中紀子氏 出典:Ⓒ田中紀子


なぜ逮捕以後一度もメディアの前に立つことのなかった高知氏を、Japan In-depthのニコ生に出て貰おうと考えたのか理由は3つある。


まず一つ目は、すでに筆者自身がギャンブル依存症問題についてこちらのニコ生に出演させて頂いており、編集長の安倍さんを信頼していたこと、ユーザーさんの質が良く叩かれやすい依存症問題を理解してくれる方が多く、感情論の誹謗中傷コメントがあまり来ないことを知っていたからである。


二つ目は、ワイドショーなど地上波メディアに持ち込むことはいくらでもできたが、地上波では勝手に編集されることで私たち依存症者及び支援者は何度も煮え湯を飲まされており、編集なしのニコ生に出演することが一番視聴者さんに正直な話が届くと考えたからである。


そして三つ目の理由は、何と言っても高知氏の状態である。あれだけ日本中に叩かれる経験をすると人は誰でも自信を失う。その上、高知氏の場合は自業自得とご自身が一番ご自身を責めており、自尊心どころか自分の存在自体を否定しているように思えた。出会いの際に必死になって「執行猶予が切れるまでは、一人で頑張ります。」と仰ってきたギリギリ感は、自死を選ぶ仲間を見てきた私の経験上「このままでは死んでしまうかも」と本気で感じていた。


そこで最初にメディアに出るのなら、高知氏にとって安全で安心できる雰囲気の中で今の思いを語って貰い、語ることで突破口を開こうと考えたからである。


そこでニコ生には、安倍編集長と筆者と高知氏の主治医である、国立精神・神経研究センター 薬物依存研究部部長の松本俊彦先生にもご登場願うことにした。こうして「緊張する」としきりに言っていた高知氏の守りを固めることができ、なんとか逮捕後初めて公の場でご自身を語って貰うことに了承を取り付け、放映日は3/20と決まった。


ところがここまで準備が進んだところで、決意を揺るがす大きな出来事が起きた。


他ならぬ俳優でありアーティストでもあるピエール瀧さんが3/12にコカイン使用の罪で逮捕されたと一報が入ったのである。これにより芸能界は大騒ぎになり、自粛の嵐が吹き荒れていった。



▲画像 「生き直す」 出典:amazon



▲動画 Japan In-depthチャンネル「薬物問題を知ろう!」 https://youtu.be/qfhk_pOnpuE


(その3に続く。その1)


トップ写真:高知東生氏と田中紀子氏 出典:Ⓒ田中紀子


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