仏、マスク反対運動の実態
Japan In-depth / 2020年9月1日 15時57分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・仏、コロナ感染拡大でマスク着用が義務化。違反者には罰金も。
・マスク反対派には、陰謀論信者とワクチン反対派が多く存在。
・反対集会の中心は自由を呼びかけるコミュニティーと「黄色いベスト運動」。
フランスでは28日(金)、新型コロナウイルスの新規感染者数が7379人という過去最高の人数となり、フランスの保健省の保健総局(DGS)は、「流行の進行の力は指数関数的だ。」とし、止まらない増加に注意を呼びかけた。この状況を受け、28日よりパリを筆頭に海辺の町など人が集まる多くの街の全域で、屋外でもマスク着用が義務となった。違反すれば135ユーロの罰金が科される。
しかし、そのような状況の中、マスク着用義務に反対する人々がいる。29日(土)に向け、SNS上でフランス各地で「マスク反対集会」が呼びかけられた。パリの集会には200人~300人が集まり、「自由を、自由を!」と声をはりあげ強制的にマスク着用が求められていることを非難したのだ。
マスク反対運動はアメリカで生まれ、欧州ではドイツで活発に活動が行われている。現在、スペインでも開催され、フランスでも運動が徐々に成長しつつある状況だ。しかしながら、実際のところは、それなりにフランス人は規則に従ってマスク着用の義務を守っている。では、フランスでマスク着用に反対している人はいったいどういった人物像なのであろうか?人物像をさぐるために、今回グルノーブル政治学院の社会科学のアントワーヌ・ブリスティエル准教授が調査を実施した。
マスク着用を反対する人々の人物像
ブリスティエル准教授が実施した調査によると、マスク着用反対についての回答者の平均年齢は約50歳。63%が女性だ。そして、高い社会的カテゴリーに所属している人が多く、回答者の36%は管理職。そして、主な特徴として、政治的組織、メディアに強い不信感を持っている。例えば、大統領を信頼していると答えた人は6%。政党には2%、労働組合には10%と、政治的組織への信頼度が極端に低い。
また、マスク反対者にイルミナティや、移民によってフランスが乗っ取られるというような代替理論に関することを質問すると、半分以上は同意する。例えば、保険省がワクチン産業の危険性の現実を隠すために製薬業界が交渉していると思うか?と尋ねると、90%が同意する。
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