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高知氏自叙伝「生き直す」発売に寄せて その4 新旧の高知東生が抱える葛藤

Japan In-depth / 2020年9月7日 14時30分

高知県には「よさこい祭り」という日本を代表する有名なお祭りがあるが、実は、江戸っ子の私はこれまでこの「よさこい祭り」を全く知らなかった。高知氏に「よさこい祭りって名前は聞いたことあるけどよく知らないなぁ?」と伝えると逆にものすごく驚かれ、その規模の大きさと、いかにそのお祭りが全国で注目され、白熱し、盛り上がるかを力説された。それでもうまく想像できない私に業を煮やし、高知氏はご自身がチームを作られて参加された時のDVDを見せてくれた。そのDVDはよさこい祭り当日までの練習期間から当日の熱気までを余すことなく伝えたドキュメンタリーになっていて、(実際ドキュメンタリー番組としてTV放送もされた)その迫力に私も圧倒された。


私もたいがい祭り好きだが、高知氏も相当のお祭り男のようで「こうやって振り付けを皆で練習するんや」とか「ここのアーケードが観てる人と距離が近くて一番盛り上がるんよ!」と解説にもどんどん力が入っていった。各チームにカラーがあるようでユニフォームなどもそれぞれ作られるようだが、高知氏のチームは「飛龍」と名乗り、高知氏らしい男らしいデザインになっていた。「ユニフォームかっこいいですね!今もとってあるんですか?」と聞くと、高知氏はしばらく沈黙したあと「見るのが辛ろうて、捨ててしもうた。」と言った。そしてDVDを見終わりふと高知氏をみるとそれこそ滂沱と涙を流していた。私が「どうしたんですか?」と驚くと「俺は、こんなに良い仲間がいたのに、みんなを裏切った」と嗚咽していた。


自叙伝には事件後故郷に帰りたくても、地元の仲間に合わせる顔がないと帰る気になれなかった高知氏に、故郷の友人が粋な計らいをして帰らせるエピソードがある。


この度の出版のタイミングでもたまたま高知でのセミナー(ギャンブル依存相談を 高知東生さんら呼び掛け 高知市でセミナー)があり、今回も高知氏の帰郷に立ち会わせていただくことになったが、地元の仲間の方は事件を起こした高知氏に対しても変わることなく迎え入れ「もう一度再起するまで頑張れよ!」とエールを送っていた。


多くの友人たちに青春時代のエピソードをからかわれながら、やんちゃな少年の顔を覗かせる高知氏を見ていると、芸能界で演じていた「高知東生」とのギャップに驚かされる。一人の同級生の女性が「ヤンチャで女の子にも本当にモテて、それこそよりどりみどりだったけど、不思議と丈二(高知氏の本名)は恨まれていないのよね。みんなよい思い出だと思っているの。」とおっしゃっていたのが印象深かった。


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