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自民総裁選候補、外交に触れず

Japan In-depth / 2020年9月8日 18時0分

任期途中での総裁辞任で簡易形式の総裁選が行われるのは12年ぶりだというが、問題の本質は別にある。そもそも、この「党員選挙」「予備選挙」なるものは、同じく予備選挙をやっている欧米諸国と比べても、実に摩訶不思議である。この制度、構造的にヒラの党員の一票と国会議員の一票との間に驚くべき「格差」があるからだ。


自民党の党員数は1991年で公称約547万人だったがその後減少に転じ、2001年に200万人を割り、2009年には結党以来初めて100万人を割ったそうだ。最低は2012年の約79万人だったが、2016年には100万人の大台を回復したという。だが、国会議員も党員なのだから、議員票もこの100万票の一部という見方も成り立つ。


例えば、米国大統領選挙の予備選では、連邦議会議員や知事も一党員に過ぎず、一票の価値は平等だ。実は、米民主党にこれらの党幹部を「スーパー代議員」とする制度もあるのだが、決して評判が良い訳ではない。日本の自民党だって、筋論から言えば、百余万の党員が平等に総裁を選ぶのが最も理に適っていると思うのだが。


他方、党員による完全予備選挙が常にベストとは限らない。最近の例でも、米国民主共和両党の予備選挙は本来の趣旨を逸脱している。元々は「党幹部による密室政治」の打破が目的だったが、次第に一部強硬派活動家による予備選挙の「占拠」が常態化し、バランスの取れた候補者が選ばれないという弊害が出てきたからだ。


これに比べれば、現在の自民党内の議論はまだ健全なのかもしれない。党員票を394票にするか、3X47=141票とするかの違いであって、100万党員全員に平等な一票を、ではないからだ。万一そうなれば、今の自民党は完全に変質する。一般国民は民族主義・大衆迎合主義の強硬派が跋扈する政党など支持しないだろう。


最後に米大統領選について。2016年と2020年の比較を書こうと思ったのだが、ここで紙面が尽きてしまった。要するに、全国レベルでどちらの候補が何%リードしているか知ってもあまり意味はない。特定の州ごとに、白人労働者層、郊外の女性票、非白人層の人口動態などにつき詳細な分析が必要だからだ。この続きは次回書こう。


 


〇 アジア


金正恩委員長は台風の被災地を視察、対策の不備を認め、現地の党幹部を解任し、党員向け公開書簡で復旧支援を呼びかけたそうだ。可哀想な地方党幹部たち。



▲写真 金正恩委員長 出典:ロシア大統領府


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