経済再開か自粛か 揺れるNY
Japan In-depth / 2020年9月10日 23時0分
6/22から営業再開が認められたものの、店舗前の歩道や道路等のみでの営業で、その後、7月から期待された店内での営業は、他州で同様のケースで感染が拡大した例があり、今も許可されていない。営業そのものを再開していないレストランも多い。
ニューヨーク市の境の道路の向こうでは同じニューヨークでありながら、市外ということですでに店内での営業が認められている。これを二重基準として、レストランの団体は猛抗議。通常営業の再開や補償を求めて集団訴訟も起こされている。
州知事は店内営業を認めたとしても、安全基準を守ることの実効性に疑問を呈している。これは、すでに店舗外部で営業しているレストランの一部に違反行為が確認されていることも影響していると見られる。違反が摘発されて、営業ができなくなった店も多い。
川一つ隔てたニュージャージー州はこの週末から店内での営業が認められることになった。ニューヨーク市と対象的である。それらの状況や、訴訟を受けて、市長も州知事も近日中に何かしらかの対応策を発表するという。
Eaterというサイトによれば、先日ニューヨークのレストラン協会はレストラン経営者を対象とした調査結果を発表。回答があった1042のレストランオーナーのうちの63.6%が、公的支援を受けられなければ、今年中に閉店する可能性が高い、と回答。また、閉鎖する可能性が高いと回答した店の55%が11月までに店舗を閉鎖することになる、またはなる恐れがある、と回答したという。来年1月までビジネスを続けられると期待しているという回答は全体の36%であった。
事態は想像以上に深刻だ。
マンハッタンからは住人の流出が続いていることに加え、リモート・ワークで通勤する人々も減った。さらに、ニューヨークの血液たる観光客が戻ってこない限り、レストランを通常営業に戻したとしても、どのくらいの数のレストランが生き残ることができるのだろうか。
観光客がニューヨークの血液ならばレストランはそれを受け入れ、潤滑に各臓器に流す血管。臓器はホテルであり、イベントであり、ニューヨークの街そのものでもある。
観光の目玉であるブロードウェイ・ミュージカルは少なくとも年内いっぱいは再開できず。
▲写真 3月からの閉鎖で再開を待ってくれるよう呼びかけるカーネギーホールの看板 出典:著者撮影
すでに再開が許可されたホテルは受け入れるべき観光客がおらず苦戦。今後、市内のホテルの20%が閉鎖されるだろう、との報道もある。
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