「堅実の人」岸田文雄 自民党総裁選その3
Japan In-depth / 2020年9月14日 1時21分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・チームプレー重視の良き常識人。時に「優柔不断」の批判も。
・「誰かのミスをみなでカバーすればいい」は謙虚で強い信念。
・新時代に「聞く耳」持った協調型リーダーが求められることも。
第3回は岸田文雄さんの「人間力」。外務大臣、防衛大臣を歴任した「大物」政治家、自民党政調会長を務める広島1区(広島市中区・東区・南区)選出の衆議院議員である。
とても落ち着いた感じの紳士に見られるが、広島カープの熱烈なファンであったり、奥様との写真が話題になったり(色々切り取られて大変だったみたいだが)、露出が増えるにしたがって、人間らしさがようやく国民に伝わってくるようになった。先日は著書『岸田ビジョンー分断から協調へ』を出版した。
しかし、まだまだ世間の目は厳しい。これまでも、あまり評価されてこなかった。中島岳志東工大教授は「当たり障りのないことを言う天才」と評価するほどだ。
個人的なことを言わせてもらうと3候補の中では唯一会ったこともない人であるが、高校の先輩でもある。「公平に」分析していきたい。
■ 岸田さんのエリート?キャリア
1957年7月29日生まれの63歳。広島市出身。血液型AB型。父親は政治家の岸田文武さん、祖父は岸田正記さんの政治家3世。とはいえ、父親は通産官僚出身で、祖父の政治家時代からは20年以上経っていたそうであるので厳しい言い方か。宮澤喜一元首相とも親戚のようだ。
小学校1年~3年生までNYの小学校(現地校)に通い、千代田区立永田町小学校、千代田区立麹町中学校を経て、私立開成高等学校に入学・卒業。高校時代は野球部で熱心に活動していて、1年からレギュラーだったそう。広島カープ好きというのもわかる。
2年の浪人生活を経て、早稲田大学法学部に入学・卒業。東大に3回挑戦して失敗したことに対してかなりの挫折感を持っているらしい。開成は当時、初めて東大合格者No1の座に就いたとはいえそんなに合格者数は多くないので周りとの劣等感なのかなと思ったが、それよりも家族・親戚もほぼ東大出身だったからという理由のようだ。
1982年に、日本長期信用銀行に入行し、87年まで勤務。バブル期ではあるものの、社会の矛盾を勤務で感じたそうだ。その後、父の文武の秘書に。1993年に出馬し初当選。以降8回の連続当選を誇る。
■ チームプレーを重視する良き常識人
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