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インドネシア 医師百人超コロナ感染死 

Japan In-depth / 2020年9月16日 16時0分

またIDIによると9月初旬までに看護師70人、歯科医9人もコロナによる感染死との報告を受けていることを明らかにしている。


IDI関係者は「これまで何度も政府に現場の医師、看護師ら医療従事者の保護するための措置を早急に講じるようにと要請している」ことを明らかにし、さらに今後も同様のことを強く求めるとしている。「医療従事者の安全確保ができなければ、コロナ感染者治療は不可能となることを政府は理解するべきだ」と重ねて早急な対応を求める事態になっている。


 


■命を最優先できない政府に国民の不満


3月にインドネシア国内でインドネシア人のコロナ初感染が報告されて以来、右肩上がり一直線で増加してきた感染者数と感染死者数。医療現場の混乱の中で命がけの治療に取り組む医療関係者の努力に応えるためとして、ジャカルタ州政府は4月8日に「大規模社会制限(PSBB)」を発令した。11の主要指定産業以外のオフィス、工場の勤務、操業自粛、飲食店の店内飲食禁止、公共交通機関の運行間隔間引き、運行時間制限などと同時に市民には「マスク着用」「手洗い励行」「社会的距離確保」という保健衛生上のルール徹底を求めてきた。


しかし経済への深刻な影響、失業者、低所得者への生活保障として現金提供、生活必需品の配布などを進めた結果の財政逼迫、市民の不満拡大などから6月4日に「PSBBの緩和策」を発表した。全体の50%に制限した上での飲食店内での飲食、工場稼働、オフィス出勤、公共交通機関の運行通常化などが打ち出され、市民生活には活気が戻った。


ところが規制緩和を規制解除と思い込んだ市民がマスク非着用で市街に溢れ、バスや鉄道のターミナル駅では3密状態が出現、近郊電車の通勤時間帯はラッシュ復活状態となり、8月から9月にかけて全国レベルでもジャカルタでも「1日の感染者数過去最高を記録」という報道が連日続く事態になってしまった。


こうした感染者数が急増する中でもジャカルタのアニス・バスウェダン州知事は「自転車通勤しよう」「自転車専用レーン設置」「年齢制限した上で映画館の再開を目指そう」などとマスコミ受けする対策を次々発表するだけだった。


政府もジョコ・ウィドド大統領が「さあマスクを着用しよう」というサイネージ広告に登場するだけで、各閣僚も「ワクチン開発を急いでいる」「経済への影響は最小限に留まっており、これから経済復活に向けて一丸となろう」と威勢のいい花火を打ち上げるばかりだった。


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