仏で女性の服装巡り論争勃発
Japan In-depth / 2020年9月20日 23時7分
また、フランス女性の自分の体に対する自信は、他の国比べても低いものとなっています。前出のIfopの調査では、トップレスが多かったスペインでは自分の体の評価を10段階で6.6、ドイツでは6.5、オランダでは7.2のところ、フランスは6.3と、低い値となっています。そういった状況であるがため、そこまで体をさらしたいとは思っていない人が多いようです。
さらに男性の視線に対する恐怖というと、ある意味セクハラに繋がっていきますが、マクロン政権に入りハラスメントに対する規則が強化されてもなお、現在も女性を悩ましている問題の一つになっています。つい先日も、オペラ歌手クロエ・ブリオさんに、リハーサル・公演中に台本にもないのに彼女の股を開いて頭を突っ込出くるというセクハラをおこなったとし、ボリス・グラップ氏が訴えられたことが話題にのぼりました。その話が表に出てから、彼女の元には劇場関係者から、男性からセクハラを受けた経験があると毎日のようにメッセージが届いたといいます。
フランスでは以前、「レイプされたのは服装のせいではありません。」という活動が行われたこともあります。よく、暴行されるようなことがあると、気を付けなかった女性も悪い、誘うような服装をしていたのだなどと言われますが、この時集められた実際レイプにあった時の服装では、ジーンズにTシャツなど、どちらかというとシンプルな服装の方が多かったのです。このことからも決して服装が原因でレイプが行われるわけではないことがわかります。もともと、相手が女性だという理由で、罪を犯す加害者が悪いであって、それを女性の服装のせいにするのはもうやめるべきなのです。
■ 大事なのは女性が自分の好きな服を着られる権利
例え、トップレスでいる習慣は薄れて保守的に時代が変わってきたとしても、女性が自分の好きな服を着る権利は今後も守り通していく必要があります。ある程度、場所にあわせてTPOは考えるべきだとは考えますが、男性の性的視線を元にした意見に支配されることなく、女性自身が、自分が着たいと思う洋服が着られることは大切なことです。ちょっと谷間が見えるだけで、否定されるなど言語道断。
そんな女性の権利を守るためにも、今回の女性の主張とオルセー美術館の謝罪は、当然のことだったのではないでしょうか。今後はこういうことが起こらないことを願うばかりです。
参考:Observatoire mondial de la nudité féminine
トップ写真:オルセー美術館入館拒否に合ったときのドレスを着るJeavnneさん 出典:@jeavnne
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