仏、コロナ対策に市民猛反発
Japan In-depth / 2020年9月30日 7時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・仏、国民と政府のコロナ対策の認識、真っ二つに分かれる。
・政府のコロナ対策、国民の35%しか支持せず。
・仏国民も監視が無ければ規則を守っていない実情がある。
3月、全国一斉の外出禁止期間(ロックダウン)を設けることで新型コロナウィルスの感染拡大を抑えたフランスであったが、さすがに国外は避ける人も多かったものの、7月、8月の夏のバカンスにいつも以上の多くの人が国内旅行を楽しんだ。その結果、再び感染が拡大し始めている。しかしながら、国民と政府のコロナ感染対策に対する認識が大きくかけ離れており、現在、フランス国内で、意見が真っ二つに分かれているような状況だ。
9月24日には、24時間で16096人という感染者数を記録した。これは24時間において過去最高の感染者数となる。しかも最近まで、若者の感染者数が多く感染者数に対して死者が少ないと言われてきたが、病院への入院患者も上昇傾向にあり、9月16日以降は毎日病院だけで50人前後の死者がでている。
さらに高齢者施設の死者が加算される日には、死者は150人以上にのぼる日もでてきたのだ。前回の外出禁止が始まった3月17日の時点では、死者が27人であった。この数に比べても50人は決して少ない数ではない。ただ、今回はマスクをするなど予防策も同時に取られているため、前回は3.5日で感染者数が倍増したが、今回は15日で倍増となっており、第一波ほど急激に感染者数の上昇はしていない。
しかしながら、今、このまま何もしなければ確実に感染者が増加し、急激な増加を止められなくなる可能性もある。そこで、フランス政府は23日の時点で感染拡大を防ぐために、主要都市での飲食店の営業を制限する新たな措置を発表した。マルセイユのバー全てに閉鎖命令を出し、首都パリなどでも営業時間を短縮するとし、これらの規制は27日の0時より15日間を予定として実施されたのだ。
だが、この部分的な閉鎖を受け、パリ、マルセイユ両市の市長は、「レストラン閉鎖は意味がない」「国民を怖がらせるだけだ」と批判。またバー経営者の一部からは命令の無視を訴えられており、27日にはパリで反対のデモも開催されるなど、反発がおきている。
特に、マルセイユで反対する声が大きくあがっている。「規則、規則を課した上、今度は罰が与えられた」「すでに売り上げが少なくて、大変なのに、これでレストランが開けられないと店がつぶれる」「レストランは、中に入ればちゃんとみんな規則を守っているのに、意味がないことを政府がしようとしている」と訴える。
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