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カンボジア、米関与軍施設解体 中国と密約?

Japan In-depth / 2020年10月8日 23時17分

リアム海軍基地を巡っては2019年7月に米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」がカンボジア政府と中国政府の間で「向う30年間に渡って同基地を中国海軍が使用できるとする秘密合意がある」と報じた。


この報道は「リアム海軍基地は東南アジア地域でプレゼンスを強めたい中国海軍の同地域初の拠点となり、南シナ海での活動の拡大につながる」とのASEAN内の懸念を裏付ける結果となり、カンボジア政府への風当たりが強まった。


しかし、この密約報道を巡ってフン・セン首相は即座に反応し、事実に反するとして激しく否定した。



▲写真 フン・セン首相 出典:ロシア大統領府


今回のリアム海軍基地内での工事に関してもカンボジアのティー・ハン国防相は「解体した建物は米軍がわずかな改修と少しの設備を提供しただけで、カンボジアの所有物である」として解体に許可も通告も必要なとの立場を示した。そして「海軍基地としてより大きな港湾設備が必要なだけである」と地元メディアに応え、解体工事と中国とは全く関係がないことを強調した。


さらにカンボジア国防省はウェブサイトに声明を掲載し「中国軍がカンボジア領内にプレゼンスを持つなどという情報は全く根拠がない」とし、その根拠として「カンボジア憲法ではいかなる外国軍隊の国内駐留を認めてはいない」としている。


このようにカンボジア側は今後拡張整備したリアム海軍基地を中国海軍が東南アジア地域の海軍拠点として使用する可能性について完全否定の姿勢を終始貫いている。


 


■憲法改正で中国駐留許可の見方も


ティー・ハン国防相が「憲法上の制約」を盾に中国海軍のリアム海軍基地使用に関して「ありえない」と公式に反論していることについて、ASEAN外交筋などからは「カンボジア政府はいざとなれば憲法を改正して中国軍駐留への道筋をつける可能性も完全に否定できない」との見方も浮上している。


一部報道でカンボジアと中国の「密約」が報じられ、衛星情報でリアム海軍基地の拡張整備計画が暴露された以上、残された手段は「憲法改正で堂々と中国海軍の基地使用を認める以外になくなってきた」からというのだ。


新型コロナウイルスが中国・武漢から中国国内そして海外へと拡大が深刻化していた1月にフン・セン首相は武漢に滞在するカンボジア人学生やビジネスマンらに対して「武漢に止まり中国政府に協力するように」と指示。2月5日にはフン・セン首相自らが北京に飛んで習近平国家主席と首脳会談に臨み「コロナ対策での中国政府に対する支援を表明」するなど親中振りを内外に強くアールした。


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