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東京一極集中問題の解決を【菅政権に問う】その2

Japan In-depth / 2020年10月15日 11時0分

東京一極集中問題の解決を【菅政権に問う】その2


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表) 


【まとめ】


・東京に混雑と、それに伴うストレスが戻ってきた。


・一極集中解消は、東京にも全国にもメリットのほうが多い。


・地方圏での暮し「関心ある」も、移住の決断になかなか至らず。


 


東京の混雑が戻ってきた。


・エスカレーターに並び、我慢して待つ


・改札口前でうまく通り抜けられない人が立ち往生して困る


・狭い通路で対向してくる人とぶつかりそうになる(最悪あたる)


・ぎゅうぎゅう詰めの電車に乗り、新型コロナへの感染を恐れながら電車に揺られる


・オフィスのエレベーターで1階への到着を待つ


・エレベーターはぎゅうぎゅう詰め、新型コロナへの感染を恐れながら階数表示を見る、たまたまドア付近に立ってしまうと階ごとに降りる羽目になる


まさに都心の日常の風景。ぶつかる、衝突、そうではなくても「ひやりはっと」(ひやり、はっとした経験)、並ぶ、待つ、などなど行動とそれに伴うストレスがもどってきたといってよい。


こうした問題に菅政権は本気で取り組むらしいので、そこに期待したいところだ。東京圏出身者が長年抱えていた「いつになったらゆとりある生活は」という問題意識。菅政権はそれを解決する救世主なのかもしれない。


■メリットとデメリット


まずは一極集中解消のメリットとデメリットをリストアップしてみよう。東京都市圏、それ以外の視点で、メリット・デメリットの4象限で考えてみると以下のようになる、



▲図 筆者作成


東京都市圏にとっては、特に住民の観点からすると、一極集中解消はメリットがある。都心生活に加えて、ゆとりを持てると大きく変わることだろう。東京圏出身者にとっては、東京以外の選択肢も増える。


一方、これまでの「システム」に依存していた人たちにとっては、それはデメリットが多い。地価下落の可能性もあるし、一部産業、特に不動産業や商売をしているところは顧客が減る、売上が減る。結果的にまちの魅力は少しは減るかもしれない。


ただし、全国的に見れば一極集中解消は大いにメリットがある。さすがに都市ではない田舎に移していくというのは難しいかもしれないが、札幌、仙台、長野、新潟、静岡、浜松、名古屋、大阪、京都、神戸、神奈川、岡山、大阪、高松、福岡、北九州、鹿児島などの都市にいくらかでも分散できれば、皆がハッピーになれるのだ。


■関心があるのは30%程度


5月15日に内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局がまとめた「移住等の増加に向けた広報戦略の立案・実施のための調査事業報告書」の結果から、見ていこう。


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