1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

菅首相 東南アジア訪問光と影

Japan In-depth / 2020年10月25日 11時0分

さらにジョコ・ウィドド大統領の重要政策の一つであるインフラ整備ではジャワ島北部鉄道高速化計画、首都ジャカルタの都市高速鉄道(MRT)延伸計画、西ジャワ州パティンバン港湾施設開発計画への協力などを確実に実行することなどでも合意した。





しかしその一方で「自由で開かれたインド太平洋構想」に関してはその掲げる理念にインドネシアも基本的理解は示したものの、ベトナムのように防衛装備品、防衛技術など軍事面での踏み込んだ合意はしなかったとされている。





これはインドネシア政府が伝統的に「超大国のパワーバランスで一方に与しない」という外交的立場をとっていることが関係しているとされる。





■  米哨戒機の基地使用、給油を拒否





10月20日、ロイター通信は米国が今年7月と8月にインドネシアに対して要請していた米軍P8哨戒機の空港施設利用、給油をジョコ・ウィドド大統領が拒否していたことを伝えた。





同哨戒機は南シナ海で中国軍の動きを警戒監視する任務についており、これまではマレーシア、シンガポールの基地を使用してきた経緯がある。





ロイター通信の報道ではインドネシアのルトノ・マルスディ外相による「インドネシアは一方の側に付きたくない」との発言や元駐米インドネシア大使の「インドネシアは騙されて反中キャンペーンに乗せられたくない」との発言も伝えた。





こうした発言、姿勢はつまり直接利害が関係してくる南シナ海問題では積極的関与を示しながらも、一方の側の軍による基地使用は拒否し、中国が「NATO構築化」と危惧する「インド太平洋構想」には消極的というか「あまり関わりたくない」という考え方がインドネシア政府の根底に根強くある結果といわれている。





■  米国務長官がインドネシア訪問へ





こうした中、ポンペオ米国務長官が25日から30日にインド、スリランカ、モルジブそしてインドネシアを訪問することをルトノ外相や在ジャカルタ米大使館が22日に明らかにした。





▲写真 ポンペオ米国務長官 出典:Secretary Pompeo twitter



インドネシア・米外相会談では当然のことながら南シナ海問題、さらにインドも今回の訪問国に含まれていることから「インド太平洋構想に関しても当然協議することになる」(米大使館)としており、南シナ海からインド洋、太平洋にかけての中国の動きを意識した外交問題が主要議題となる。





ポンペオ国務長官の訪問は11月3日の米大統領選の直前となるだけにインドネシアとの間ではこれまでの協力関係を再確認するとともに、改めて「インド太平洋構想」への積極的関与を米側から求められることになるとみられている。





菅首相のインドネシア訪問では経済支援でほぼ「満額回答」を得ながら、安保問題では明確な意思を明らかにしなかった「したたかな外交」のインドネシアが、ポンペオ国務長官との会談でどこまで具体的に踏み込むことになるのかが注目されている。





写真:インドネシアを訪問した菅首相とジョコ大統領(右から2番目)(2020年10月20日) 出典:首相官邸ツイッター




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください