バイデン政権なら対キューバ政策転換へ
Japan In-depth / 2020年10月30日 14時11分
【まとめ】
・トランプ、バイデンどちらが勝っても中南米情勢への影響は大。
・対キューバ政策で相違大。バイデン勝利なら融和政策に回帰も。
・バイデン勝利なら、ベネズエラ・マドゥロ政権への制裁維持か。
11月3日の米大統領選で共和党のトランプ大統領、民主党候補のバイデン前副大統領のどちらが勝つにせよ、今後の中南米情勢への影響は大きいだろう。
◇トランプ政権“2期目”は中国対抗策強化へ
トランプ大統領が中南米への関心が薄いのに対し、バイデン候補は同地域を重視しているというのが一般的な見方である。しかし、トランプ政権が中南米を無視しているかと言えば、必ずしもそうとは言えない。
例えば、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は今夏、中南米・カリブ海地域の経済発展や民主主義の確保などを盛り込んだ「西半球戦略的枠組み」を発表した。これは、同地域における中国の影響力増大に対抗するのが主要な目的の一つだ。「トランプ政権が2期目となれば、同枠組みに沿って中国の影響力拡大を阻止する政策を強化していくだろう」(米シンクタンク「インターアメリカン・ダイアログ=IAD」の専門家)との見方が有力である。
一方、バイデン氏はオバマ前政権下で副大統領として中南米外交を担った実績があり、「中南米通」を自負しているとの報道もある。ヒスパニックの読者が多い米紙「マイアミ・ヘラルド」は識者の意見を引用し、バイデン政権となれば同地域への米国の関与が大幅に増大し、多くの分野でトランプ政権とは真逆の中南米政策が打ち出される可能性が強いと予想する。
トランプ、バイデン両氏の相違が目立つのは対キューバ政策だ。周知の通り、トランプ大統領はオバマ前政権が大幅に緩和した対キューバ経済制裁を再び強化するなど、強硬方針に転じた。
前述のIADの専門家の間ではバイデン政権となれば、キューバ政策が転換されるのは確実でオバマ前政権時代のような融和方針に戻るとの意見が多い。メキシコの有力テレビのコメンテーターは「“バイデン大統領”によるキューバ政策の転換は歴史的なものになるかもしれない」と語っている。
◇“トランプ再選”でマドゥロ政権との妥協説も
ベネズエラ情勢をめぐってはトランプ大統領は反米左翼のマドゥロ政権打倒を主張し、さまざまな制裁を科してきた。トランプ再選の場合には強硬策が継続されると予想されるが、その一方、米国のネット系メディアの間では一転して妥協策が打ち出されるとの説も伝えられている。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
モリソン前豪首相、トランプ氏と台湾有事警戒で一致…14日の会談で
読売新聞 / 2024年5月18日 7時57分
-
中国EV、制裁関税100%に=引き上げ対象2.8兆円相当―米政権
時事通信 / 2024年5月14日 21時19分
-
再選に向け支持拡大へ=激戦州にらみ、対中関税上げ―バイデン米大統領
時事通信 / 2024年5月14日 18時4分
-
岸田政権はまだまだ続く可能性が高い…政治的には詰んでいる岸田首相が「続投に自信満々」となっているワケ
プレジデントオンライン / 2024年5月8日 9時15分
-
バイデン氏、移民擁護の姿勢鮮明 中南米系の取り込み図る
共同通信 / 2024年5月7日 15時21分
ランキング
-
1万引きかと思いきや…スーパーで新手の「詐欺」 女が3700円をだましとり逮捕 札幌市
STVニュース北海道 / 2024年5月18日 12時6分
-
2「トイレで出産した」乳児を自宅に遺棄、容疑の31歳女を逮捕 神戸・垂水
産経ニュース / 2024年5月18日 9時17分
-
3コンビニ店の駐車場で暴行を受け男性重体 30代の男ら3人を逮捕 金銭トラブルか
ABCニュース / 2024年5月18日 0時7分
-
4秋田市の住宅街近くでクマ1頭を捕獲
日テレNEWS NNN / 2024年5月18日 12時51分
-
5殺人疑いで男3人再逮捕、青森 被害者の元雇用主ら
共同通信 / 2024年5月18日 18時21分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください