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晴れることなきロス疑惑(下)再論・「正義」の危険性について その3

Japan In-depth / 2020年11月1日 11時0分

これについて、私は佐古田氏を批判しようとは思わない。三浦氏が、法律の範囲内で「疑わしきは罰せず」の原理による無罪判決を勝ち取ったなら、佐古田氏とて法律が許す限りの手段で容疑者の再逮捕にこぎつけたのだから。無責任なネット民が人を犯罪者と決めつけたり、果ては「死刑宣告」するのとは次元が違う話なのである。





ただ、これは「形を変えた別件逮捕」であったという点は、指摘しておきたい。





実は、ロス市警の本命は「ジェイン・ドゥJane Doe88事件」であったと、捜査関係者自らが証言しているのである。





1979年5月、ロス郊外でミイラ化した東洋系女性の遺体が発見された。米国の警察など士法執行機関では、身元不明の女性をジェイン・ドゥ、男性ならジョン・ドゥと呼ぶことになっており、88は識別番号である。





後に、具体的には日本での「ロス疑惑報道」が始まった1984年のことだが、歯形称号によって、この女性の身元は、三浦氏の交際相手であったことが判明した。既婚者であるが三浦氏と深い仲になり、氏の会社の役員にも就任していたという。後に、夫とは正式に離婚している。





問題は、この女性が1979年3月29日にロスの空港に降り立った記録があり、一方、三浦氏は3月27日から4月6日までロスに滞在していた記録がある。





そればかりか、女性の前夫から振り込まれた(慰謝料?)426万円を、彼女のキャッシュカードで引き出していたことまで判明している。これについて当人は、





「この女性に金を貸していて、米国から贈られてきたキャッシュカードで引き出す形で返してもらっただけ」





などと供述し、日本ではメディアが「もうひとつのロス疑惑」と書き立てたものの、証拠不十分であるとして訴追されなかった。





米国カリフォルニア州の裁判所が(かの国では、各州が独自の法律・裁判権・軍隊まで持っている)本当にジェイン・ドゥ88の事件で逮捕状を発行したかどうか、今となっては「神のみぞ知る」としか言いようがない。





ここまで読まれた読者の中で、この件でも三浦氏がシロだと考える人はほとんどいないかも知れないが、法で裁けるか否かは、また別問題だ。前回も述べた通り「疑わしきは罰せず」という原則が守られなくなるようでは、法の正義も成立しがたくなるのだから。





(続く。再論・「正義」の危険性について その1,その2)





トップ写真:サイパンの海 出典:Pixabay;kenny kim




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