みっともない政権支持派(下)再論・「正義」の危うさについて その5
Japan In-depth / 2020年11月3日 23時0分
真面目な話、これまで基礎研究の分野に対する支援がお寒い限りであったから、学者がよりよい環境を求めて海を渡る「頭脳流出」が絶えなかったのだ。
中国も長きにわたって、この問題に頭を悩ませ、今や世界第二の経済大国になったのだからと、逆に世界中の優秀な研究者を中国に集めよう、というプロジェクトに乗り出した。
これが世にいう「千人計画」だが、学術会議がこれに手を貸している、という論法でもって、学者一般を敵視する人などは、それこそ頭脳がどこかへ流出してしまったのではないか、とさえ私には思える。
昨年暮れに『反日種族主義』(李栄薫・編著、文藝春秋)という本が話題になった。
▲画像 『反日種族主義』李栄薫・編著(文藝春秋) 出典:アマゾン・ジャパン
日本による朝鮮半島支配を一方的に断罪するのは、歴史観として公正さに欠けると説いた本で、私なども、出るべくして出た本だと思った。
その後韓国内では、本の内容に対して学術的に反論するのではなく、単に著者らを「裏切者」呼ばわりして、猛バッシングを加える人が後を絶たないそうだ。
愛国心を勘違いし、反知性主義的な言動を「国のため」と思い込む人には、韓国の「反日種族主義者」を嗤う資格も、非難する資格もない。
民主主義国家において、説明責任を果たさない為政者など、それこそ亡国の徒と呼ぶにふさわしいのだ。
(続く。再論・「正義」の危うさについて その1,2,3,4)
写真:臨時国会が召集され、所信表明演説を行う菅首相(2020年10月26日 衆議院本会議場) 出典:首相官邸 facebook
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