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青森八戸は無人機の拠点となる

Japan In-depth / 2020年11月7日 17時37分

海保はこの無人機をどこに配置しようとしているのだろうか?





報道公開時には「導入時の基地は未定」としていた。八戸はあくまでも実証試験の拠点である。実用配備が決まった際には再び検討する。質疑ではそのように返答した。(*2)





だが、やはり八戸となる。その理由は第1に安全性、第2に飛行場の余裕、第3は交通至便である。





■ 安全性を確保できる





第1は安全性である。





無人機運用では危険性が問題となる。今まではなかった新しい飛行機である。なによりも操縦者が乗らない無人である。その点で不安を伴う。もし墜落したらどうなるか。そのような懸念が生じるのは当然である。





だが八戸飛行場ではそれは深刻な問題とはならない。飛行場は海沿いにあり離着陸経路上に住宅地が存在しないからだ。





まず陸上飛行はほぼ行われない。八戸基地は海沿いにある。そのため海上進出や帰投に際しても陸地上を飛ぶ必要はほとんどない。八戸の住宅地等の上は飛ばない。





また離着陸失敗も深刻な事態は引き起こさない。





滑走路東側は海まで550mしかない。また滑走路も標高30mの台地上にある。離陸で失敗しても海に落ちるだけ、着陸で失敗しても基地内に落ちるだけだ。





滑走路西側もほぼ林地である。住宅はなく建物もまばらだ。墜落時に深刻な被害は出がたい条件にある。





この点で無人機拠点に向く。墜落のリスクはあまり問題にならないからだ。





▲写真 エプロンからタクシーに向かう状況。1000馬力級のエンジンであり100mも離れれば騒音は気にならない程度となる。掴みで5m/10ktの向かい風の中で概ね550m程度で離陸した。筆者撮影。



■ 飛行場の余裕





第2は飛行場の余裕である。飛行数や基地面積には余裕がある。このため海保を受け入れる余地は十分にある。





八戸の飛行数はここ20年で大幅に減少した。南西シフトの影響である。また哨戒機の数や在八戸部隊の規模が縮小した結果でもある。





土地の余裕も大きい。滑走路の東側、北側はそれほど利用されていない。また隣の陸自八戸も部隊規模が縮小している。





海保が借りているアムルス地区もそのような場所だ。以前に機雷搭載場として整備された。だが今では用途そのものが消滅しており利用度は高くはない。





この点でほかの基地よりも無人機拠点に向く。





これは海自の海沿いの基地と八戸を比較すれば歴然とする。那覇は飛行数も多く土地の余裕はない。岩国、大村/長崎空港と徳島/徳島空港も概ね同様である。鹿屋基地は土地の余裕はあるが飛行数が多い。練習機も飛行しているからだ。





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