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省庁を可能な限り地方移転!【菅政権に問う】その4

Japan In-depth / 2020年11月12日 23時48分

省庁を可能な限り地方移転!【菅政権に問う】その4




西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)





【まとめ】





・安倍政権下、4庁移転見送り。既設の出先機関強化で対応。





・気象庁は組織の一体化が図れなくなることを理由に移転見送り。





・コロナ禍やデジタル時代で前提は変わりつつある。









新型コロナウィルスがまたしてもぶり返してきそうだ。こうした中だからこそ、東京一極集中の解決の必要性も高まっている。





個人的な話だが、石破茂さんが大臣の時に内閣府地方創生人材支援制度一期生としてある町に派遣されて(非常勤職員として)省庁の地方移転に携わった。その時に政府機関の地方移転をある町に引っ張れないか考えた。その時の難しさはやはり





・省庁のマネジメント、仕事のやり方など今までのやり方を変えたくないという前例踏襲志向





・そもそも一極集中のデメリットを軽視している思考





・官僚の方々の生活・暮らし面、なかでも子供の教育面などの不安





・中央から離れることへの不安、情報過疎へのデメリット感





などが壁になっているし、そういう声を多く聞いた。





情報こそ力、権力の源という世界なので、コミュニケーションを通じた人間関係と情報収集が難しくなるという意味で、中央にいないといけないと考えてしまうのだろう。しかし、市役所のように対面サービスではないので、普通に考えて動けるはずではある。





■政策の現状は?





安倍政権下で政府関係機関の地方移転はそれなりに取り組んだ。まとめると以下のようになる。





▲表 【出典】内閣府「中央省庁の地方移転に関する進捗状況」をもとに筆者作成



とはいえ移転検討対象の7省庁のうち、特許庁、中小企業庁、観光庁、気象庁の4庁は、移転を見送り、既設の出先機関の強化で対応することになった。当初この政策に絡んだものとしては、期待をはるかに下回っている。





希望する都道府県と省庁、内閣府を踏まえて丁寧な議論をしていたが、結局、省庁の「移転すると機能維持・向上ができない」という反対理由が押し切った形だ。たしかに、移転して業務が混乱したら誰が責任を取るねん?と言われたら、それに対して説得するのは至難の業だろう。





気象庁の事例を見てみよう、





◇◇◇各府省の見解(気象庁)◇◇◇





 ○大規模な自然災害等が発生した際には、首相官邸への緊急参集のみならず、政府及び国土交通省の非常災害対策本部への参画等、政府全体の危機管理対策の実施に気象庁は重要な役割を担っている。それに 対応するためには、気象庁は、気象庁長官の指揮の下、本庁内の各部が一丸となって組織的に対応している。そのため、気象庁は、一体として政府機能中枢(霞ヶ関地区)域にあることが必要不可欠である。





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