米大統領選、実は当然の結果(中)コロナに敗れたポピュリズム その2
Japan In-depth / 2020年11月13日 18時0分
それ以上に度し難いのは、日本にも、ネットの一部にカルトじみたトランピストがいて、
「トランプ大統領が必ず逆転勝ちする」
などと言い張っていることである。
日本時間10日には、トランプ大統領自身が、選挙結果は「不正な投票を無視するメディアによる捏造である」などという演説をTVで行ったところ、複数のキャスターが、
「大統領は、事実に合致しないことを延々とまくし立てている」
として中継を打ち切ってしまった。すると、日本のネットが沸騰し、やっぱり偏向報道じゃないか、というコメントが殺到したのである。
私などは、日本のキャスターたちにも、こうした権力におもねらない気概が欲しいものだ、と感じ入りながら見ていたものだが、まあ、ものの見方・考え方は人それぞれだろう。
翌11日(同じく日本時間)には、ある郵便局員が、
「4日に集配した数千通の投票用紙の消印を3日以前に改竄するよう、局長に強要された」
と実名で告発し、ネットではそれなりに有名な反共サイトがこれを取り上げた。すると、賞賛の声と同時に、マスメディアはどうしてこれを報じないのだ、となったわけだが……
その内部告発が、いちじるしく具体性に欠けるのである。消印を改竄させられたと言うが、どのような手段で、どれくらい時間をかけて行ったか、なにも語られていない。
そもそも、郵便投票は葉書ではなく封書である。消印を改竄した封書の中身が全部バイデン票であったとする根拠は、なにかあったのか。
さらなる「そもそも論」を言うなら、大統領選挙に携わるスタッフは、どちらの党においても、経験豊富な選挙のプロが揃っている。もしも民主党が、組織的な不正投票をしたとして、こんな、すぐバレるような幼稚な手段を用いるものか、どうか。3日以前に投函すれば、なにも問題は起きなかったのではないか。
▲写真 大統領選 郵便投票(イメージ) 出典:Pixabay; conolan
このように奇妙な「告発」を実名で行ったのは、たしかに勇気が要ることだったろうが、だから真実に違いない、という話にはなるまい。マスメディアがまともに取り合わないのは、それこそフェイクニュースになりかねない、と見なしたからに過ぎないのだ。同種の告発や宣誓供述書は他にも数多く出されており、トランプ陣営はそれを根拠に訴訟を乱発しているわけだが、48時間を経ずして退けられた案件まである、ということをご存じか。
こうした次第で、米国内では、今や共和党支持者の間にさえ「内戦」どころか、
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