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大阪都構想、挫折の理由(上)コロナに敗れたポピュリズム その4

Japan In-depth / 2020年11月28日 23時0分

たとえば、大学。





大阪には、国立の大阪大学の他に府立と市立の大学があったが、少子高齢化のこの時代、狭い大阪に三大学は無駄ではないか、との声は、前から聞かれていた。さらに言えば、府立大学の方は2005年に、大阪女子大学と大阪看護大学(いずれも府立)と統合し、日本一規模の大きい公立大学として再出発した経緯もある。余談ながら、卒業生の中に、阪神タイガースの球団社長やUberの日本法人社長などがいるそうだ。





しかしながら、両者の運営母体が幾度も述べるように「府市合わせ」であったため。府立と市立の統合など「できっこない」とされていた。実際、橋下市長が就任した当初も、幾度となくそう聞かされたと、当人が様々な場所で述懐している。





しかし、案ずるより産むが易し、とはよく言ったもので、2013年に外部有識者らも招聘して「新大学構想」が提示されるや、一度は延期されたものの、2019年4月に両大学の運営法人が統合され、今年2020年には、新大学の名称が「大阪公立大学」となることも発表された。見方を変えれば、二重行政の「負の遺産」は、個別具体的に清算してゆくことが可能であるという、格好の実例が示されたことになる。





そうなってみると、コストのかかる「都構想」など本当に必要なのか、大阪市を解体するというのは簡単だが、その結果、きめの細かい住民サービスができなくなるのではないか、といった反対論が、説得力を持ったのも当然の成り行きだったと言える。





事実、府議会と市議会の両方において、都構想は歓迎されないどころか猛烈な反発を受けたが、公明党が「住民投票そのものには反対しない」という姿勢に転じたことにより、2015年に最初の投票が実現した。





その過程と背景、さらには二度にわたってこの構想が端座した理由については、次回。





(続く)





トップ写真:道頓堀(2018年8月3日撮影) 出典:Fabio Achilli




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