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仏、SNSで人生狂わせた少女

Japan In-depth / 2020年12月13日 23時0分

しかしながら、ティーンエージャーでも全員がわかっていないわけではない。事件のことを知らないフランス人のティーンエージャーにこの事件の詳細を見せて意見をきいてみたところ、非常に冷静なコメントが返ってきた。「まず、ムスリムの若者がホモフォビア(同性愛嫌悪)で、ミラさんに悪質なコメントを送ったのは悪い。しかし、それに対してミラさんが反論するのは当然だが、内容がイスラム教を攻撃していたのはよくなかった。イスラムフォビア(イスラム嫌悪)になっている。」この理解度の違いは、本人の性格、友達とのかかわりあい、家庭環境などにも大きく影響されるのだろうと推測する。





そしてフランスのミラ事件の最大の問題点は、「フランスの法律とイスラム教徒との考え方の相違」という、従来からあるフランスを悩ませる問題が、さらにこの事件を複雑化させたことだ。





在仏イスラム団体「仏ムスリム評議会(CFCM)」の総代表であるアブダラ・ゼクリ氏は、殺害するという脅迫に対しては反対しているものの、「この問題は彼女自身が招いたことだ。彼女が言った言葉、彼女がした侮辱、私はそれらを受け入れられません。」と、怒りを抑えきれない口調でミラさんを非難した。(※参考Tweet)





これに対し、当時のマルレーヌ・シアパ女男平等・差別対策担当副大臣が反論するなど、事件に対して複数の政治家がコメントを出している。イスラム教が絡んだことで、子供同士の喧嘩だったはずのものが、政府が絡む大人の攻防戦に発展したのだ。





マクロン大統領も2月に発言し、フランスでは「冒涜する権利」と「宗教を批判する権利」があるとミラさんを擁護し、政府は全面的に通常生活に戻れるようサポートに努めた。





(※「冒涜する権利」に関する記事はこちら )





▲写真 マクロン仏大統領 出典:flickr; Jacques Paquier



しかし、その後も問題は収まることなく脅迫は続き、レイプや殺人をほのめかす若者がバカンス先にまでやってきてミラさんを脅迫したため、20代を含むムスリムの若者2人が逮捕され実刑を受けている。





ミラさんの弁護士は、「ミラさんは、人物を中傷しているのではなく、宗教を冒涜しているだけなので法的にはまったく問題はない。フランスは宗教を冒涜する自由は法律で守られているのだ。よって、私がカトリックはクソだ、カトリックは憎しみであふれていると言っても、まったく問題にならない。しかし、なぜ、イスラム教だけ問題になるのだ?なぜ、イスラム教だけ特別扱いなのだ?」と問題を提起している。





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