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日本のトランプ人気について ネット規制の危機その2

Japan In-depth / 2020年12月23日 14時19分

これは単なる判じ物ではなく、日本においてトランプ人気がここまで高いのは、彼の強烈なキャラクターと並んで、今次の騒動に見られる「最後まで諦めない姿勢」が、少なからぬ数の日本人の琴線に触れたのかも知れない。古くは昭和のスポーツ根性漫画から、最近の『鬼滅の刃』に至るまで、こういったキャラが人気を博した例は枚挙にいとまがない。





もうひとつは、そもそも2016年にトランプ大統領を誕生させた原動力ともなった、反エリート主義=反グローバリズムである。





ここであらためて多くを語るまでもなく、前世紀の終わり頃から世界は新自由主義の時代となり、グローバルなビジネスで巨万の富を得る人が現れたかと思えば、他方で、地道に働くしかないという人は、より安い賃金で働く途上国の労働者との厳しい競争にさらされ、実質賃金はどんどん目減りしていった。





早い話が、グローバル経済のせいで貧しくなった、と実感した人たちが、移民労働者を締め出して中国との「貿易戦争」にも必ず勝利する、と声高に叫ぶドナルド・トランプという政治家に拍手喝采したのである。





日本は未だ、米国ほど移民問題が深刻ではないが、それでも「在日特権」などということを言う人はいるし、それ以上に、高い社会的地位を得た人のことを「上級国民」などと呼んで敵視する風潮が広まってきている。





こうした風潮を背景に、ジャーナリズムで仕事においても反中嫌韓の立場をとるような人は、





「日本の安全保障のためにも、トランプ大統領にはぜひとも再選してほしい」





といった考えに傾くのだろうし、ネットにおいては。





「6回も倒産の憂き目を見ながら、ニューヨークの不動産王にまでなったトランプと、政治家として利権をあさってきたバイデンと、どちらが世界のリーダーにふさわしいか」





などという問いを投げかける人が、後を絶たないのだろう。お前はどう思うのか、と問われたなら「どっちもどっちじゃね?」としか答えようがないが。いや、真面目な話「バイデンの米国」とどのように向き合うべきかは、新年特集で考察させていただく。





今はその話題より、私にとって意外であったのは、海外取材の経験を積んできたジャーナリストの中にさえ、





「CNNなどの偏向ぶりは目に余る」





といった考えを開陳した人が少なからずいたことだ。同社において「トランプを落選させたい」という発言を含む会議の音声が流出し、真偽を確認する前に日本のネットが炎上したのは、記憶に新しいところである。





▲写真 CNN本社(2012年5月29日 米・アトランタ) 出典:flickr; llee_wu



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